EMD GP40Xは、1977年から1978年の間にアメリカのGM-EMDが製造した4動軸の電気式ディーゼル機関車である。
概要
本形式は、GP50およびSD50の先行量産車的な意味合いで23両が製造された。うち10両はHT-B型台車を実験的に装備していた。この台車はGP50ではオプション対応とされたが、実際に装備したGP50はない。
HT-B型台車は、新たな高粘着台車としてEMDが開発したもので、日本国鉄のEF63形電気機関車が装着した台車の逆ハリンクと同じ原理でゴム緩衝器を斜めに配置して軸重の移動を減らし、長い軸バネを使用して乗り心地のうちの縦揺れを改善し、メンテナンスコスト削減およびメンテナンス期間の拡大を狙ったものであった。動輪直径が通常より2インチ大きい42インチ(1066.8mm)の動輪を使用し、ホイールベースは通常より1インチ長かった。しかし、新型台車は高価であったこと、鉄道会社は実績のない台車を使用することをためらったことなどから普及せず、ブロンバーグM形台車が引き続き装備された。
GP40Xの設計は、1965年にGP35の台枠で製造された試作車両が元になっている。この試作車両はEMD 433Aと呼ばれ、当時新設計だった645型エンジンを搭載し、4動軸の機関車としては初めて出力を3000馬力としたものであった。433Aはイリノイ・セントラル鉄道に買い取られ、ロードナンバー3075として使用された。ラジエタの形状とエンジン型式以外はGP40Xとほぼ同じ仕様であった。
落成時の所有者
脚注
- ^ 長大編成を組む場合、機関車を編成の先頭だけでなく、編成中にも配置する場合がある。そのときに、先頭の機関車から編成中の機関車を無線で制御するシステム。のちに撤去されたものもある。
- ^ 長大トンネルでは、熱せられた排気がトンネル内部の天井部にたまってしまうために、ラジエタ用冷却風を機関車上部から取り入れようとしても暑い空気が入り込んでしまう。その対策として、車体下部から冷たい空気を導入する導風板が設けられた。天部から車幅いっぱいまで左右に張り出し、そこから車体下部へと直角に曲がった板の形状が、あたかもゾウの耳のように見えるためにこのように呼ぶ。のちに撤去されたものもある。
- ^ 短い側のフードの高さが、通常よりも高いこと。
参考文献
関連項目
外部リンク