ABS-3 はアジア・ブロードキャスト・サテライト (英語版 ) (ABS)の所有する人工衛星。以前にはアギラ2号 、ABS-5 の名称もあった。
運用
アギラの由来のフィリピンワシ
衛星は1997年8月20日、長征3号B によって西昌衛星発射センター から打ち上げられ、東経146°の位置に投入されている[ 2] 。打ち上げられた当初はフィリピンのマブハイ・サテライト が所有しており電気通信サービスに利用され、フィリピンワシ にちなんでアギラ2号 (Agila 2)と呼ばれていた[ 3] 。
スペースシステムズ/ローラル 製であり、通信範囲はアジア太平洋地域をカバーしている。地上局はフィリピンのスービック経済特別区 にある。フィリピンが所有した状態で打ち上げられた最初の衛星ではあるが、フィリピンが最初に所有した衛星ではない。アギラ2号の打ち上げより1年前にインドネシア企業パシフィック・サテリット・ヌサンタラから軌道上にあるパラパB-2Pの所有権を購入し、アギラ1号 (マブハイ)として手に入れている[ 4] 。
2009年にABS社が所有権を取得し、ABS-5と名称が変更された。さらに2011年、[ 5] ABS-5は ABS-3 に改名され3度西の位置へ移動させられた。ABS-3Aが2015年3月1日にABS-3の置換用として打ち上げられている[ 6] 。
能力
ABS-3は30基の27ワットCバンド トランスポンダと24基の110ワットKuバンド トランスポンダと12基の高出力220ワットトランスポンダが組み合わされた構成になっている。EOL [要曖昧さ回避 ] で総DC電源は8200ワットと見積もられている。パワーウェイトレシオ が5:1であり、工業的に最も効率的な衛星の1つとなっている[ 5] 。190チャンネルの高画質デジタル番組を家庭用やケーブルテレビ業者のアンテナに送信でき、5万の同時双方向通話を処理できる[ 5] 。
設計
当初この衛星はマブハイ社とフィリピン長距離電話、High Rise Realty Development Corporation、ピリピノ・テレフォン (英語版 ) (Piltel)、 Beijing High Den Enterprises Limited、Walden Group of Companies、GMAネットワーク 、Philippine Satellite Corporation、Cable Entertainment Corporation、シー・ヤップグループ、フィリピン通信衛星 (英語版 ) などのいくつかの企業の合弁事業であった。衛星バス にはスペースシステムズ/ロラール 製FS-1300 (英語版 ) を採用しており、おおよそ2億4300万円がかかったとみつもられている。
衛星の設計運用期間は15年であった[ 7] 。
範囲
Kuバンドでは台湾、中国本土、ベトナム、フィリピンをカバーしている。24基のKuバンドトランスポンダは地上制御で220ワット増幅装置を持つ12基の高出力トランスポンダと組み合わされ、衛星放送 のデジタルTVサービスに利用されている。
Cバンドでは東アジア、南アジア、東南アジア、西太平洋、ハワイなどの地域をカバーしている。最大15Mbit/sのダウンリンク能力でインターネット接続ができる。また、ABS-CBN などのフィリピンの放送局はこの衛星のCバンド能力を信号分配と衛星ニュース収集に使っている、
註釈
外部リンク
関連項目