90後90後(きゅうれいご、中: 90后、拼音: 、ジョウリンホウ)とは、中国における用語の一つで、一般的に1990年代生まれの世代を指す言葉。広義として1990年以降に生まれた中国国民を指す場合もある。80後からの派生語である。 “90後”が生まれた時代は、すでに中国の改革開放政策の成果が現れ、情報化社会への急速な発展を遂げていた。したがって、“90後”は情報化社会を何よりも先に体験した世代であるといえる。中国の計画出産政策の影響で、基本的に一人っ子であり、その意味では小皇帝とも言える。時代の発展と変化により“90後”の思想や理念は一世代上の中国人たちとは大きく異なる[1]。そのため“90後”について批判的なことを言う人も少なくはないが、“90後”の価値観も少しずつ受け入れられてきている。[要出典] 社会背景“90後”が生まれ、育ってきた時代は、改革開放政策の発展が最も早く大きな業績をあげるなど、中国社会が最も激しく転換した時代である。また、科学技術の急速な発展に伴い、人々の思想・概念、イデオロギーの多様化が進んだ時代でもある。政治、経済、思想、文化など様々な分野で天地を覆すような大きな変化は、“90後”達の世界観、価値観にも大きな影響をおよぼした[2]。 このような背景から、“90後”は豊かさの中で育ってきたと言える。その影響からか考え方が前向きで、新しい事に対しての挑戦意欲も強く進歩的、斬新さを持ち、人生を楽しむことにも価値を見出す世代と言われる。しかし、これまでの保守的な、時に臆病な面も持つ昔の中国人とは異質な“90後”はその反動として、現実離れした考え方、行動が時に批判の対象となることがある。生活の苦しさを体験していないだけに、周囲に気を配ることもなく自己本位で、自分に合わないものは無視し、気の向くままに生きているとの批判も聞かれる[3]。 育った環境
そんな中、“90後”の親たちは自分たちが競争社会から強いプレッシャーを感じている為、子供たちが学校での教育だけでは今の競争社会では勝ち残っていけないと感じ、幼いころから家庭教師をつけ、教育指導書を駆使し専門的な教育を施す家庭は少なくない。幼いころからのプレッシャーによって多くの“90後”は聡明に、多才に、また趣味の幅を広げ、自分を重要視するようになった。しかしその一方で、学習に対する焦慮感、挫折に対する対応力の低下、強い嫉妬心、インターネット依存などの問題も生み出した。“90後”は自分に自信を持っているが、打たれ弱く、デリケート、そして少し利己的といった特性を持っている[5]。
抱える問題ある高校が中高生を対象に行った心理テストで、勉強に対する焦慮、対人関係における障害、過度な敏感性が“90後”の3大心理不安であることが明らかとなった。 調査によると、“90後”が最も感じているのが勉強に対する不安である。「あなたが心配、ストレスを感じるのは何ですか」という質問に対し、「テストの成績が悪かったり、不合格だった場合」と答えた学生が最も多かった。「あなたが癇癪を起してしまう原因はなんですか」の質問に対し、「勉強に対するプレッシャーが強すぎる」と答えたのが全体の71%に上った。 中高生の約半数以上が対人関係に不安を感じていると答えている。そのうち高校2年生の割合が最も高く、そのうちの70-80%を占めた。彼らの親の多くは対人関係で「損をしない」ように教育しており、それが同年代の仲間が少なくなってしまっている原因の一つとなっている。また、約4割の学生が過度に敏感な傾向があった。彼らは他人の言動や周りの喧騒に過度に敏感で、自分が他人からどう見られているのかを大変気にしていた。 このように90年以降に生まれた中国人には、多数の心理的問題が存在している。理想や信仰心の欠落、強い高利的な考え、独りよがりな個性の追求が少年犯罪や追っかけ、インターネット中毒、といった異常な反応を起こす者が現れ、それは日に日に深刻な問題となって中国社会を悩ませている[6]。 “90後”の一般的な特徴
サーチナでは、“90後”に対するインタビュー記事を載せている[7]。非常に強いこだわりを持っている一方で、経済成長を背景に、明るくはつらつとした“90後”が印象的。“90後”と一括りで言っても、色々な個人がおり、単純な類型はできそうもない。 “90後”と伝統文化漢服復興運動は“70後”、“80後”そして“90後”の一部が主体となって始まった民間による、草の根運動である。若いホワイトカラー層、大学、高校、中学生を中心にその影響を受けた子供や成熟し穏健な中高年までが参加した。漢服復興運動は年齢、性別、職業を超えて伝統文化を愛する者たちが集まり、漢民族の伝統服の復興をテーマとし、人々の伝統文化に対する意識を盛り上げようと企画したということである。この活動における組織や活動計画については、インターネットだけでなく、学校、会社、観光地、公園など様々なところで議論された。 伝統衣装を着る、古書を読む、祭り、故郷についての講義を開くなど、たとえ伝統文化に関する知識が豊富でなくても、伝統文化を守り抜こうという精神に基づいている。この活動を行なっている世代は、老人ではなく“80後”“90後”と呼ばれる若者である[8]。 “90後”の今後現在、“90後”の弱点や欠点ばかりが話題になっているが、長所もある。10年前“80後”も「崩壊する世代」などと酷評されていたが、北京オリンピックでの聖火リレー、オリンピック大会開催中、四川大地震などの大事件での対応を通じて、それまでの偏見を取り払い、「責任を任せられる世代」などもう成熟したと世間に認めさせることに成功したとも言われる。 “90後”たちも、大人になる過程で責任や義務を身をもって示していくことで、払拭できるだろう。そして、社会の発展に伴い、中国社会での先駆者としての一世代を築くことが期待される[9]。 脚注
関連項目 |