72式魚雷
72式魚雷(ななにしきぎょらい)は海上自衛隊が運用していた長魚雷[1]。魚雷艇及び潜水艦に対浮上航行潜水艦・対水上艦向け兵装として搭載されていた[1][2][3][4]。非誘導魚雷であり、1972年(昭和47年)に制式採用され、1994年(平成6年)に運用が終了した。開発・製造は三菱重工業[1]。開発中の名称はG-5B[1]。 概要海上自衛隊では、創設間もない1954年(昭和29年)より、旧海軍の酸素魚雷の技術を基に、新型魚雷の開発に着手した。この新型魚雷はG-5と呼称され[4]、昭和39年度まで研究が続けられたが、実用化には至らなかった[1]。なお、このとき並行して開発されたホーミング誘導式の電気式魚雷が試製54式魚雷(G-1~4B)であった[5]。 その後、昭和40年度より、駛走距離の延伸を目的として、新型機関を搭載したG-5Bの開発が開始された[1]。技術的な不確定要素が大きいことから、研究試作によって開発に着手し、昭和42年度に基本要目が策定された[6]。 当初は、燃料にアルコール、酸化剤に硝酸を用いるレシプロエンジンで開発が進められたが、硝酸の取り扱い辛さや排出気体の問題が生じた[1]。その後、過酸化水素の取扱に関する情報が入手できたこともあって、酸化剤はこちらに変更された[6]。これにより排気も水蒸気・二酸化炭素となったため、航跡も無くすことができた[1][2]。 昭和47年度に72式魚雷I型として制式化され、海上自衛隊の魚雷艇と潜水艦に搭載された[1][2]。1980年代になると、潜水艦は、これに代わりハープーン対艦ミサイルを装備するようになり[1][3]、魚雷艇も最後の15号魚雷艇が1994年(平成6年)に退役したことから、72式魚雷も運用が終了し、順次廃棄された[2]。 搭載艦艇出典
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