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この項目では、フランシス・プーランクのピアノ曲集について説明しています。その他の同名の楽曲については「ノヴェレッテ」をご覧ください。 |
『3つのノヴェレッテ』(仏: Trois novelettes)FP 47/173は、フランシス・プーランクが作曲したピアノ独奏曲集。
概要
タイトルにもある「ノヴェレッテ」とは短編小説を意味し、これはドイツの作曲家ロベルト・シューマンのピアノ曲集『8つのノヴェレッテ 作品26』に倣ったものである。
この作品のうち、最初の2曲(FP 47)は1928年に作曲され、30年後の1958年に第3番(FP 173)が追加されたが、このように最初の2曲と第3番はそれぞれ作曲された年代が異なるため、最初の2曲を『2つのノヴェレッテ』、第3番を通し番号を付けずに『マヌエル・デ・ファリャの主題によるノヴェレッテ』として分けて表記される場合もある。
構成
- 第1番(FP 47/1)
- ハ長調、8分の3拍子。
- プーランクが「おば(Tante)」と呼んで親しかったリエナール夫人に捧げられている。
- 第2番(FP 47/2)
- 変ロ短調、2分の2拍子。
- プーランクの友人で、彼を支持するドビュッシー派の音楽批評家であったルイ・ラロワ(英語版)に捧げられている。
- 第3番『マヌエル・デ・ファリャの「恋は魔術師」の主題による』(FP 173)
- ホ短調、8分の3拍子。
- プーランクの友人のギブソンに捧げられており、スペインの作曲家マヌエル・デ・ファリャのバレエ音楽『恋は魔術師』の中の「パントマイム」の主題が形を変えて使用されている(プーランクとファリャは1918年に師リカルド・ビニェスの家で出会い、その後も友好関係が続いていた)。
- なお、調はホ短調であるが調号は付けられておらず、全て臨時記号で書かれている。
参考文献
- 『パリのプーランク その複数の肖像』(小沼純一著)
- 『プーランクは語る 音楽家と詩人たち』(ステファヌ・オーデル編、千葉文夫訳)
- 楽譜『三つのノヴレッテ』注釈より
外部リンク