韓国プロ野球の2次ドラフト(2차 드래프트)は、韓国野球委員会(KBO)が主催する2年ごとに開催されるプロ野球チーム間の公式な選手移籍制度である。
概要
メジャーリーグベースボール(MLB)のルール5ドラフトを模したものである。
9球団目のNCダイノスの創設により、新たな選手需給の方法を模索した結果、ドラフト会議(1次ドラフト)とフリーエージェント(FA)以外の別の獲得方法としてこの方法が採用され、2011年シーズン終了後の11月に初めて実施された。
毎年行われ主に高校や大学を卒業予定の選手を指名する新人ドラフトと違い、2次ドラフトはKBOの球団に所属している選手たちが対象となる。
選手選抜方法
2年ごとに11月末に開催する。
2012年~2020年
各球団は外国人選手と保留選手とFA申請選手及びその人的補償で移籍した選手を除いた40人の保護選手を2次ドラフト実施10日前までに確定し、KBOに通知する。リストは施行日に公開されて、選手の譲渡金は1ラウンド目の選手が3億、2ラウンド目が2億、3ラウンド目からは1億ウォンとなる。
当時は1軍ロースターに必ず上げなければならないという規定がないというのが、MLBのルール5ドラフトとは異なる点であった。
2024年~
各球団の保護選手が40人から35人に減らされ、下位3チームは最大5名指名可能、プロ入り3年目以下の選手は除外、譲渡金は1ラウンドが4億、2ラウンドが3億、3ラウンドが2億、4ラウンド以下は1億ウォンなど、2020年以前と比較して複数の変更点がある[1]。
従来は上位ラウンドをパスした場合、残りのラウンド指名をできなかったが制度改訂により上位ラウンドパス後も次のラウンド指名が可能になった。
最大の変更点は登録義務の指定であり、1ラウンド指名選手は50日以上、2ラウンド指名選手は30日以上を1軍エントリーに義務登録しなければならない(3ラウンド以下の指名選手は義務登録対象ではない。またあくまでも登録が義務であり、試合出場までは強制できない)。
もし指名後2年以内に基準を満たしていない選手は元々の所属球団に復帰する権利が与えられ、当該選手や当時の所属球団が復帰を望まない場合は自由契約選手として公示される。また選手が元の所属球団に復帰する場合、譲渡金の50%を譲受球団に返還しなくてはならない。
各年度指名選手
2012年
また、以下の選手は新生チームの身分だったNCが3ラウンド後に追加指名した選手である。
2014年
また、以下の選手は新生チームの身分だったKTが3ラウンド後に追加指名した選手である。
2016年
2018年
2020年
2024年
廃止と復活
2021年10月26日、KBO理事会は、団長間の賛成多数により2次ドラフトの廃止を議決した[2]。制度導入初期は新生チームだったNCダイノスとKTウィズの創設による戦力不均衡の解消に大きな役割を果たしたという評価を受けたが、「有望株ファームが活性化しているチームが不利になる」「特定のチームからの選手流出が多い」「補償金の額が高すぎる」「球団ごとの参加姿勢の差異」などの問題が存在することを廃止の理由に挙げている[3]。
一方、韓国プロ野球選手協会は「2次ドラフトが、低年俸、低年次選手の権益向上および、機会をよく得られなかった選手に移籍を通じてさらに多くの機会を与えるという点で肯定的な役割をしたにもかかわらず、廃止された現実が残念だ」という声明を発表した[4]。
同時に、シーズン終了後から「フューチャーズリーグFA制度」を施行することも発表した[5]が、2022年、2023年の2年間で5名しか申請しなかったため廃止。保護選手の数や譲渡金などを変更して2次ドラフトが復活することになった[1]。
脚注
関連項目