1896年アテネオリンピックの陸上競技・男子マラソン

1896年 夏季
男子マラソン
会場2マラトンからアテネ
開催日24月10日
参加選手数5か国 17人
スコア2:58:50
メダリスト
金メダル 
銀メダル 
銅メダル 
 1900 »

男子マラソンは、1896年に開催された夏季オリンピックの陸上競技のプログラムの1つとして考案された特別なレースである。5か国から17人の選手が参加した[1]。陸上競技のプログラムの要となる競技であった。ギリシア人のスピリドン・ルイスが勝利し、陸上競技におけるギリシア人唯一の勝利となった。

背景

ミシェル・ブレアルは、フェイディピデスの伝説から着想し、マラトンからアテネまでのレースを考案した。このようなマラソンレースの最初は、オリンピックのマラソンへの予選を兼ねたギリシアの国内大会でありハリラオス・バシラコスが優勝した。1896年のときのマラソンの長さは約40 km (25 mi)であった[2]

参加したのは25人であったが、実際に走ったのは17人であった。

少なくとも1人の女性スタマタ・レヴィチがレースに参加しようとしたが、却下された。公式には締め切り後のエントリーが理由とされたが、非公式には性別が理由であった[3]。彼女は翌日に1人でコースを走り、5時間半で走り切った[4]

また、メルポメネという女性が走ろうとしたという記述があるが、これが2番目の女性であるのかレヴィチであるのかについては議論がある[5]

概要

1500メートル走と同様、アルバン・レムゾーが序盤でトップに立った。エドウィン・フラックアーサー・ブレイクが2位と3位を維持していたが、23キロ地点でブレイクが脱落、32キロ地点でレムゾーが脱落し、フラックを抜いてスピリドン・ルイスが先頭に立った。

その後、ペースを維持するのに疲れたフラックは、残り3キロ地点で脱落し、ルイスが単独で先頭に立ち、3時間を1分10秒切るタイムで40キロのレースを終えた。

バシラコスが2位に入り、スピリドン・ベロカスが3位に入った。ベロカスはケッルネル・ジュラの追撃を振り切り、ギリシア勢が3位まで独占したかに思えた。しかし、ケッルネルはベロカスがレースを棄権した後に馬車でコースの一部を走ったとして抗議を申し立て、抗議が認められベロカスは失格になった。

結果

順位 選手 タイム 備考
1位 スピリドン・ルイス ギリシャ ギリシャ 2:58:50 OR
2位 ハリラオス・バシラコス ギリシャ ギリシャ 3:06:03
3位 ケッルネル・ジュラ ハンガリー ハンガリー 3:06:35
4 Ioannis Vrettos ギリシャ ギリシャ 不明
5 Eleftherios Papasymeon ギリシャ ギリシャ 不明
6 Dimitrios Deligiannis ギリシャ ギリシャ 不明
7 Evangelos Gerakeris ギリシャ ギリシャ 不明
8 Stamatios Masouris ギリシャ ギリシャ 不明
9 Sokratis Lagoudakis ギリシャ ギリシャ 不明 [1]
エドウィン・フラック オーストラリア オーストラリア DNF (37 km)
アルバン・レムゾー フランス フランス DNF (32 km)
Ioannis Lavrentis ギリシャ ギリシャ DNF (24 km)
Georgios Grigoriou ギリシャ ギリシャ DNF (24 km)
アーサー・ブレイク アメリカ合衆国 アメリカ合衆国 DNF (23 km)
Ilias Kafetzis ギリシャ ギリシャ DNF (9 km)
Dimitrios Christopoulos ギリシャ ギリシャ DNF (? km)
DSQ スピリドン・ベロカス ギリシャ ギリシャ 3:06:30
Burton Holmesが撮影した写真。題:"1896: Three athletes in training for the marathon at the Olympic Games in Athens"(アテネのオリンッピクでマラソンのトレーニングをする3人の選手)

出典

  • Lampros, S.P.; Polites, N.G.; De Coubertin, Pierre; Philemon, P.J. & Anninos, C. (1897). The Olympic Games: BC 776 – AD 1896. Athens: Charles Beck  (Digitally available at la84foundation.org)
  • Mallon, Bill & Widlund, Ture (1998). The 1896 Olympic Games. Results for All Competitors in All Events, with Commentary. Jefferson: McFarland. ISBN 0-7864-0379-9. https://archive.org/details/resultsofearlymo00mall  (Excerpt available at la84foundation.org)
  • Smith, Michael Llewellyn (2004). Olympics in Athens 1896. The Invention of the Modern Olympic Games. London: Profile Books. ISBN 1-86197-342-X 
Specific
  1. ^ a b Marathon, Men”. Olympedia. 22 August 2020閲覧。
  2. ^ Untitled”. 2021年8月閲覧。
  3. ^ Martin, David E.; Gynn, Roger W. H. (2000). “The Olympic Marathon”. Running through the Ages. Human Kinetics. pp. 12, 21. ISBN 0-88011-969-1. https://books.google.com/books?id=Qb125O62NVQC 
  4. ^ Martin & Gynn, Running through the Ages, 22; Tarasouleas, Stamata Revithi, "Alias Melpomeni", 55; Tarasouleas, The Female Spiridon Loues, 12. However, some of the authors who believe that "Melpomene" and Revithi are the same person attribute to the latter the more favorable time of 4½ hours. E.g. Miragaya, The Female Olympian, 314, who cites DeFrantz, A. (1997). "The Changing Role of Women in the Olympic Games". 37th International Session for Young Participants – IOA Report. Ancient Olympia: International Olympic Academy.
  5. ^ Martin & Gynn, Running through the Ages, 20–21