鹿園 直建(しかぞの なおたつ、1946年(昭和21年)11月4日 - 2014年(平成26年)4月22日)は、日本の地球科学者。博士(理学)(1974年)。慶應義塾大学名誉教授。専門は、鉱床学・地球化学。
経歴
東京都出身。元男爵・鹿園直治(南部利克の六男で林博太郎の娘婿)の三男。1969年東京大学理学部地学科卒業。1974年同理学系大学院地質学博士課程を修了し、博士(理学)の学位を取得。学位論文は、Chemical environment of the time of formation of hydrothermal vein deposits in Japan, with special reference to Toyoha Pb-Zn vein deposits, Hokkaido(日本における熱水性鉱床の生成環境、とくに北海道豊羽鉛-亜鉛鉱床について)。
1974年から1990年まで東京大学理学部助手。この間1979年から1980年まで米国ハーバード大学地質学教室招聘研究員。1990年から慶應義塾大学理工学部助教授、1995年同教授となり、2012年3月定年退職し、名誉教授となる。
2012年4月から東京学芸大学に個人研究員として亡くなるまで勤務していた。この間1996年から1997年まで米国ハーバード大学地球惑星科学教室招聘研究員、2004年から2006年まで資源地質学会会長。
2014年4月22日午後8時25分、虚血性心疾患のため東京都三鷹市の病院で死去[1]。67歳没。
業績
東京大学では、熱水鉱床(鉱脈鉱床・黒鉱鉱床)、地熱系、放射性廃棄物地層処分などについての研究を行ったが、慶應義塾大学では、さらに研究対象を拡げ、二酸化炭素地中貯留、水-岩石系における物質移行(水質・土壌分析・熱水変質など)[2][3][4]、グローバル物質循環と環境変動[5][6]などについての研究を行い、数多くの論文を発表した。2010年にこれらの業績に対し、資源地質学会から加藤武夫賞を贈られている。
著作等
関連項目
脚注
- ^ 鹿園直建氏死去(慶応大名誉教授・地球化学) 時事ドットコム 2014年4月25日
- ^ Shikazono, N. (1975): Mineralization and chemical environment of the Toyoha lead-zinc vein-type deposits, Hokkaido, Japan. Econ. Geol., 70, 694-705.
- ^ Shikazono, N. (1985): A comparison of temperatures estimated from the electrum-sphalerite-pyrite-argentite assemblage and filling temperatures of fluid inclusions from epithermal Au-Ag vein-type deposits in Japan. Econ. Geol., 80, 1415-1424.
- ^ Shikazono, N., Zakir, H.M. and Sudo, Y. (2008): Zinc contamination in river water and sediments at Taisyu Zn-Pb mine area, Tsushima Island, Japan. Jour. Geochem. Explor., 98(3), 80-88.
- ^ 鹿園直建(1998):第三紀気候変動に対するグローバル二酸化炭素循環の影響.地学雑誌,Vol. 107,No. 3,317-333.
- ^ Kashiwagi, H., & Shikazono, N. (2003). Climate change during Cenozoic inferred from global carbon cycle model including igneous and hydrothermal activities. Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology, 199(3), 167-185.
参考文献
- 内田悦生「鹿園直建君 加藤武夫賞受賞理由」『資源地質』第60巻、資源地質学会、2010年、282-283頁。
- 浦辺徹郎「鹿園直建元会長を偲ぶ」『資源地質』第64巻、資源地質学会、2014年、174-175頁。
外部リンク