『魂の道のり』(原題:It's Too Late to Stop Now)は、北アイルランド出身のシンガーソングライター、ヴァン・モリソンが1973年に録音・1974年に発表した、キャリア初のライブ・アルバム。
背景
モリソンは1973年、管楽器やストリングス・セクションも含む大編成のバンド「ザ・カレドニア・ソウル・オーケストラ」を従えてツアーを行った[3]。渡米後に制作されたソロ・アルバムからの10曲と、ゼム時代に発表した「ヒア・カムズ・ザ・ナイト」及び「グローリア」、それにモリソンのアルバムでは初出となるカヴァー6曲が収録されており[4]、モリソンの意向によりオーバー・ダビングは一切行われなかったため、ジョン・プラタニアの演奏にミスがあった「ムーンダンス」は外された[3]。
モリソンはバンドの演奏に満足していたが、自身が疲弊したことから休息に入り、結果的に「ザ・カレドニア・ソウル・オーケストラ」は短期間で解散した[3]。
2008年のリマスターCDには、「ブラウン・アイド・ガール」がボーナス・トラックとして追加された[1]。
反響・評価
アメリカのBillboard 200では53位を記録した[2]。
Jason Ankenyはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「ライブ・パフォーマーとしてのヴァン・モリソンは、ひいき目に言っても不安定でムラが多いとはいえ、この2枚組ライブ・アルバム『魂の道のり』では、彼は終始傑出している」と評している[5]。また、ロバート・クリストガウは本作にAを付け「モリソンがブルースやR&Bへ恩義を感じていることを完璧に実証しており、レコードの全編を通じてボビー・ブランドが歌っているように聴こえる」と評している[6]。
イギリスのウェブ雑誌Stylus Magazineのスタッフが2006年に選出した「オールタイム・トップ50ライブ・アルバム」では26位にランク・インした[7]。
収録曲
特記なき楽曲はヴァン・モリソン作。
ディスク1
- エイント・ナッシン・ユー・キャン・ドゥ - "Ain't Nothin' You Can Do" (Deadric Malone, Joseph Scott) – 3:45
- ウォーム・ラヴ - "Warm Love" – 3:03
- イントゥ・ザ・ミスティック - "Into the Mystic" – 4:33
- ジーズ・ドリームス・オブ・ユー - "These Dreams of You" – 3:37
- アイ・ビリーヴ・トゥ・マイ・ソウル - "I Believe to My Soul" (Ray Charles) – 4:08
- アイヴ・ビーン・ワーキング - "I've Been Working" – 3:55
- ヘルプ・ミー - "Help Me" (Sonny Boy Williamson II, Ralph Bass, Willie Dixon) – 3:25
- ワイルド・チルドレン - "Wild Children" – 5:04
- ドミノ - "Domino" – 4:47
- 君を愛したい - "I Just Wanna Make Love To You" (W. Dixon) – 5:17
ディスク2
- 悲しき叫び - "Bring It On Home to Me" (Sam Cooke) – 4:43
- セント・ドミニクの予言 - "Saint Dominic's Preview" – 6:17
- テイク・ユア・ハンズ・アウト・オブ・マイ・ポケット - "Take Your Hand Out of My Pocket" (Sonny Boy Williamson II) – 4:04
- リッスン・トゥ・ザ・ライオン - "Listen to The Lion" – 8:42
- ヒア・カムズ・ザ・ナイト - "Here Comes the Night" (Bert Berns) – 3:13
- グローリア - "Gloria" – 4:15
- キャラヴァン - "Caravan" – 9:20
- サイプレス・アヴェニュー - "Cypress Avenue" – 10:21
2008年リマスターCDボーナス・トラック
- ブラウン・アイド・ガール - "Brown Eyed Girl" – 3:24
参加ミュージシャン
脚注・出典
|
---|
スタジオ・アルバム | |
---|
ライヴ・アルバム | |
---|
コンピレーション・アルバム | |
---|
主な楽曲 | |
---|
関連項目 | |
---|