高良 留美子(こうら るみこ、1932年12月16日 - 2021年12月12日)は、日本の詩人、評論家、女性史研究者。夫は作家の竹内泰宏。
人物・来歴
高良武久、高良とみの二女として東京に生まれる[2]。
自由学園初等部、日本女子大学附属高等学校を経て[4]、東京藝術大学美術学部(転学)、慶應義塾大学法学部に学ぶ(中退)。
1963年、詩集『場所』でH氏賞受賞[2]。1988年、詩集『仮面の声』により第6回現代詩人賞を受賞[2]。
女性史研究にも力を注ぎ、1997年には、女性の文化向上に貢献した人に贈る「女性文化賞」を個人で創設した[2]。
2000年、詩集『風の夜』で丸山豊記念現代詩賞を受賞[5]。詩のみならず評論でも活躍、『高良留美子の思想世界』全6巻があり、岩見照代と「女性のみた近代」を編纂。また両親の著作も編集している[要出典]。
2021年12月12日、膵臓癌のため死去[2]。88歳没。
家族
- 父・高良武久 - 医師。いとこに高良和武
- 母・高良とみ - 婦人活動家。田島弥平の曾孫
- 姉・高良眞木(1930年 - 2011年) - 画家。米国アラーム・カレッジ卒
- 妹・高良美世子(1936年 - 1955年) - 拒食症、不登校を経て18歳で睡眠剤の多飲により救助間に合わず死亡[6]。死去から60年後に留美子によって遺稿集刊行[7]
- 夫・竹内泰宏 - 作家
- 長女・竹内美穂子 - 多摩美術大学絵画学科油絵専攻卒、画家
- 2022年9月、美穂子が「高良留美子資料室」を開設[8]。当面、2年後である2024年までの限定公開を予定している[8]。
著書
- 『詩集 生徒と鳥』(ユリイカ) 1958年
- 『詩集 場所』(思潮社) 1962年
- 『物の言葉 詩の行為と夢』(せりか書房) 1968年
- 『見えない地面の上で』(思潮社) 1970年
- 『高良留美子詩集』(思潮社、現代詩文庫) 1971年
- 『文学と無限なもの』(筑摩書房) 1972年
- 『恋人たち』(山梨シルクセンター出版部) 1973年
- 『高群逸枝とボーヴォワール』(亜紀書房) 1976年
- 『しらかしの森』(土曜美術社、現代詩選書) 1981年
- 『アジア・アフリカ文学入門』(オリジン出版センター) 1983年
- 『女の選択 生む・育てる・働く』(労働教育センター) 1984年
- 『仮面の声』(土曜美術社) 1987年
- 『時の迷路・海は問いかける』(オリジン出版センター) 1988年
- 『発つ時はいま 連作長篇』(彩流社) 1988年
- 『高良留美子詩集』(土曜美術社) 1989年
- 「自選評論集 高良留美子の思想世界」全6巻(御茶の水書房)
- 『文学と無限なもの』 1992年10月
- 『失われた言葉を求めて』 1992年11月
- 『モダニズム・アジア・戦後詩』 1992年12月
- 『世界の文学の地平を歩く』 1993年3月
- 『高群逸枝とボーヴォワール』 1993年9月
- 『見えてくる女の水平線』 1993年11月
- 『いじめの銀世界』(彩流社) 1992年
- 『風の夜』(思潮社) 1999年
- 『神々の詩』(毎日新聞社) 1999年
- 『百年の跫音』(御茶の水書房) 2004年
- 『崖下の道』(思潮社) 2006年
- 『恋する女 一葉・晶子・らいてうの時代と文学』(學藝書林) 2009年6月
- 『花ひらく大地の女神 月の大地母神イザナミと出雲の王子オオクニヌシ』(御茶の水書房) 2009年6月
- 『わが二十歳のエチュード 愛すること、生きること、女であること』(學藝書林) 2014年3月
- 『世紀を超えるいのちの旅 循環し再生する文明へ』(彩流社) 2014年6月
- 『高良留美子詩集 続』(思潮社、現代詩文庫) 2016年10月
- 『女性・戦争・アジア : 詩と会い、世界と出会う』(土曜美術社出版販売) 2017年2月
- 『その声はいまも』(思潮社) 2017年3月
- 『見出された縄文の母系制と月の文化 〈縄文の鏡〉が照らす未来社会の像』(言叢社) 2021年6月 ISBN 978-4-86209-083-6
- 『高良留美子全詩』上・下(土曜美術社出版販売) 2022年12月
編纂
- 『高良武久詩集』(思潮社) 1999年
- 『アンソロジー 戦時下の女たち』(ゆまに書房、女性のみた近代) 2001年
- 「高良とみの生と著作」全8巻(ドメス出版) 2002年
- 『愛と模索』
- 『社会への船出』
- 『女性解放を求めて』
- 『新体制運動へ』
- 『敗北の時』
- 『和解への道』
- 『使命を果たして』
- 『母と娘の手紙』
- 『世界的にのびやかに 高良とみの行動的生涯 写真集』(ドメス出版) 2003年
- 『岡本かの子いのちの回帰』(翰林書房) 2004年
- 『アンソロジー 女の生活』(ゆまに書房、女性のみた近代) 2005年
- 『宮中養蚕日記』(田島民著、ドメス出版) 2009年
- 『樋口一葉と女性作家 志・行動・愛』(編、翰林書房) 2013年12月
- 『誕生を待つ生命 母と娘の愛と相克』(高良美世子、編著、自然食通信社) 2016年6月
- 『浜田糸衛 生と著作』(高良真木, 吉良森子共編、ドメス出版) 2016年 - 2019年
- 『戦争期少女日記 自由学園・自由画教育・中島飛行機』(高良真木、編、教育史料出版会) 2020年2月
翻訳
- 『太陽と生の荒廃から アフリカ共同体の詩と文学』(マジシ・クネーネ、竹内泰宏共編訳、アンヴィエル) 1980年
- 『アジア・アフリカ詩集』(土曜美術社、世界現代詩文庫) 1982年
脚注
出典
参考文献