高等研究実習院

高等研究実習院: École pratique des Hautes Études、略称 :EPHE)は、フランス共和国の特別高等教育機関(グランテタブリスマン)、グランゼコールである。文献学宗教学歴史学生命科学地球科学などを専門とする大学院大学PSL研究大学構成校であり、同分野、特に歴史学における世界有数の研究機関である[1]。これまで「世界大学ランキング」においては組織が小規模であり不利となっていたが、パリ市内の他のグランゼコール、研究機関との統合により、2022年度のQS世界大学ランキングでは世界26位[2]、CWUR世界大学ランキング(Center for World University Rankings)では世界19位[3]、2021年度のARWU世界大学学術ランキング(Academic Ranking of World Universities)では世界38位[4]THE世界大学ランキング(Times Higher Education World University Rankings)では世界40位[5]にランク付けられ、いずれもフランス国内1位と評価された。フランス政府からは主要教育研究機関に指定されており、現在は教育担当大臣の管轄下にある。1868年設立。

沿革

フランス第二帝政下で公教育相ヴィクトル・デュリュイの起草によって出された1868年7月31日の帝令により創設。学界のみならず万人のための教育機関となることを理念とした。

創立当初は以下の4部門に分かれていた。

  • 第1部門 - 数学
  • 第2部門 - 物理学・化学
  • 第3部門 - 自然科学・生理学
  • 第4部門 - 歴史学・文献学

1886年に宗教学を専門とする第5部門、1947年に経済及び社会科学を専門とする第6部門を拡充した。

  • 第5部門 - 宗教学
  • 第6部門 - 経済・社会科学

その後第1部門を大学機関に、第2部門をフランス国立科学研究センター(CNRS)に委譲した。また、1975年には第6部門が独立し、社会科学高等研究院となった。

組織

今日では以下の3部門と1研究所から構成される。

  • 生命科学・地球科学部門 - 旧第3部門
  • 歴史学・文献学部門 - 旧第4部門
  • 宗教学部門 - 旧第5部門
  • 欧州宗教学研究所(Institut Européen en Sciences des Religions)

2013年7月に本拠地をパリ14区に移転している。主な人文科学の授業はソルボンヌ大学、アジア館、フランス国立美術史研究所で行われている。

教育及び研究

高等研究実習院は国際的に名声ある研究機関であり、実習を通じて、生命科学・地球科学・歴史学・文献学・宗教学の基礎的および応用的研究を行っている。全体で240人の研究者がいる。うち170人は教授(正確には研究ディレクターDirecteurs d'études)、70人は助教授(Maîtres de conférences)である。この他に30人程の専門研究員がいる。学生・聴講者数は3200人(2006年新学期)。その32 %を留学生が占める。

主な出身者

主な関係者

歴代院長

  • 1990年-1994年 モニック・アドルフ
  • 1994年-1998年 ブリュノ・ヌヴー
  • 1998年-2002年 ジャン・ボベロ
  • 2002年-2006年 マリ=フランソワーズ・クーレル
  • 2006年-2010年 ジャン=クロード・ワケ

関連項目

脚注

  1. ^ École Pratique des Hautes Études”. www.ephe.fr. 2019年7月11日閲覧。
  2. ^ QS World University Rankings 2022” (英語). Top Universities. 2022年5月6日閲覧。
  3. ^ World University Rankings 2022-23 | Global 2000 List | CWUR” (英語). cwur.org. 2022年5月7日閲覧。
  4. ^ ShanghaiRanking's Academic Ranking of World Universities”. www.shanghairanking.com. 2022年5月6日閲覧。
  5. ^ World University Rankings” (英語). Times Higher Education (THE) (2021年8月25日). 2022年5月6日閲覧。

外部リンク