ロシア のM1910 122mm榴弾砲 の隔螺式尾栓
ロシアのM1910 122mm榴弾砲の隔螺式尾栓
M109 155mm自走榴弾砲 の尾栓のイラスト
米戦艦 「アラバマ 」の16インチ砲 のウェリン式段隔螺式尾栓。砲手は砲尾の内側を目視確認しつつ、尾栓を左腕に巻いた布で拭いている
隔螺式 (かくらしき、段隔螺式 、interrupted screwまたはinterrupted thread)は、主に後装砲 の尾栓 に使用される閉鎖機構。1845年 前後に発明された[ 1] 。
概要
原理
隔螺式とは、ねじ山の一部を削除したねじ である。隔螺式の断面形状は、大砲 の薬室 側の穴と合致するようになっている。尾栓にねじがある部分は薬室側にはねじは切らず、逆に尾栓のねじが無い部分には薬室側にねじがある。形状が合致しているため、隔螺式尾栓はスムーズに押しこむことができ、概ね1 ⁄6 程度回転させることにより、尾栓 は砲に固く締め合わされ、砲の後部を閉鎖することができる。隔螺式尾栓は、金属 薬莢 が普及する以前の後装砲 のために開発された機構であるため、現在でも薬嚢を使用する砲に使用されることが多い。より初期の方法では鎖栓を使用していた[ 1] [ 2] 。
尾栓の閉鎖に関しては、1872年 にド・バンジュ式緊塞方式 が開発されたことにより、より良好となった。
段隔螺式
初期の隔螺式尾栓の弱点は、尾栓 の半周分しかねじ が切れないことであり、十分な閉鎖効果を得るためには尾栓を長く(ねじの段数を多く)する必要があった。この問題は、1890年 に階段断隔螺式(段隔螺式、stepped and interrupted thread)であるウェリン式尾栓(Welin breech block )が開発されたことにより解消された。ウェリン式尾栓では、段階的にねじ径が大きくなるようになっている。例えば、ねじ径を4段階にすることにより、尾栓円周の4/5にねじを切ることができ、その分尾栓長が短くなった。このデザインは、現在でも薬嚢式の大砲 で使用されている。
脚注
参考資料
Bryan Bunch and Alexander Hellemans: The History of Science and Technology: A Browser's Guide to the Great Discoveries, Inventions, and the People Who MadeThem from the Dawn of Time to Today , Houghton Mifflin Harcourt; First Edition edition (April 16, 2004), ISBN 978-0618221233
関連項目
外部リンク