盗まれた金属を調査する英国警察官
金属窃盗 (きんぞくせっとう)とは、金属 の価値を目的として金属製の物品・設備・工作物などを盗むこと である。金 、銀 などの貴金属 にとどまらず、比較的警備のゆるい銅 、アルミニウム 、真鍮 、青銅 などの非鉄金属 が最も狙われるようになっている。
場合によっては鋳鉄 や鉄 も狙われることがある[ 1] 。
金属窃盗は停電 、鉄道 の運行停止など、盗まれた金属の価値より遥かに大きな損害を与える場合が多く、社会 に対する悪影響が極めて大きい。
近年世界的に増加傾向に有り、日本では2020年約5,500件から2023年の16,000件へ3年間で3倍に急増した。[ 2]
動機
世界各国の急速な経済発展や工業化 にともない、金属資源は急速に枯渇 しつつあり、それにともない金属価格は上昇の一途をたどっている。
1986年から2011年までの銅価格の推移
最近では新型コロナウイルス による経済の影響や電気自動車 の製造における需要の高まりが影響しているとみられる[ 3] [ 4] 。
それにより従来は価値の低かった卑金属 も狙われるようになった。
対策
金属回収業者に売り手の身元確認を義務付ける[ 5] 、よく盗まれる物品(水道の栓、マンホールの蓋、エアコンの室外機 )等の買い取り拒否、電力会社 は銅線にメッキ をして特徴づけることで元の所有者を確認できるようにする[ 6] 、などの対策が挙げられる。
日本においては経産省 は関連団体に身元確認などを徹底するよう要請しているが[ 7] 、金属回収は古物商 の範疇になく、法的拘束力はない[ 8] 。
ほか、銅線の代わりにアルミ線を使うなど、より安く非枯渇性の資源を用いるのも有用で、資源保全、低コスト化にもつながる。[ 9] [ 10] [ 11]
よく盗まれるもの
金属製のものはスクラップ としての価値があり、盗まれる可能性がある。警備が緩く屋外においてあるものが狙われやすい。
脚注
出典
関連項目