野間半島
野間半島(のまはんとう)は、九州の薩摩半島南西部から東シナ海に突出する半島である。鹿児島県南さつま市に属する。広義ではおおむね大浦川より西側に伸びる野間岳などを含む全長約10キロメートルの半島を指し、狭義では野間池から西に伸びる全長約2キロメートルの半島を指す。西端部は野間岬と呼ばれる。半島一帯は坊野間県立自然公園に指定されている。 地質広義の野間半島は、白亜紀に形成された川辺層群と呼ばれる砂岩や頁岩、中新世中期に貫入した野間岬花崗岩類と呼ばれる花崗斑岩や石英斑岩、中新世後期につくられた南薩層群と呼ばれる安山岩などからなる。半島東部には阿多カルデラから噴出した阿多火砕流による溶結凝灰岩が分布する。野間池付近を仏像構造線が横切る。 狭義の野間半島は、かつては島であり、土砂が堆積することによって陸繋島となった。地質は川辺層群や野間岬花崗岩類からなり、先端部の野間岬から黒崎瀬にかけては古生代に形成された野間岬変成岩類が分布する[1]。 植生広義の野間半島はスギやヒノキなどの人工林となっている場所が多い。かつてはクロマツの人工林もみられたが、マツクイムシの被害によって衰退した。山頂付近にはイスノキ、ヤブニッケイ、ヤブツバキなど、標高450メートル付近にスダジイやアカガシなど、海岸付近にサツマノギク、ホソバワダンなどが分布する。東部の赤生木には1926年(大正15年)、日本国の天然記念物に指定されたヘゴ自生地がある[2][3]。九州の南西端にあたることから多くの渡り鳥がみられ[4]、留鳥としてはメジロ、ヒヨドリが多くみられる[5]。 脚注
参考文献
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