酢酸ブチル
別称
n -Butyl acetate Acetic acid n -butyl ester Butile
識別情報
略称
BuAcO
CAS登録番号
123-86-4
PubChem
31272
ChemSpider
29012
UNII
464P5N1905
EC番号
204-658-1
国連/北米番号
1123
KEGG
C12304
ChEBI
ChEMBL
CHEMBL284391
RTECS 番号
AF7350000
InChI=1S/C6H12O2/c1-3-4-5-8-6(2)7/h3-5H2,1-2H3
Key: DKPFZGUDAPQIHT-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/C6H12O2/c1-3-4-5-8-6(2)7/h3-5H2,1-2H3
Key: DKPFZGUDAPQIHT-UHFFFAOYAF
特性
化学式
C6 H12 O2
モル質量
116.16 g mol−1
外観
無色の液体
匂い
Fruity
密度
0.8825 g/cm3 (20 °C)[ 1]
融点
−78 °C , 195 K, -108 °F [ 1]
沸点
126.1 °C , 399 K, 259 °F (at 760 mmHg[ 1] )
水 への溶解度
0.68 g/100 mL (20 °C)[ 1]
溶解度
EtOH と混和アセトン 、CHCl3 に溶ける[ 1]
log POW
1.82[ 1]
蒸気圧
0.1 kPa (−19 °C) 1.66 kPa (24 °C)[ 1] 44.5 kPa (100 °C)[ 2]
kH
0.281 L·atm/mol
磁化率
−77.47·10−6 cm3 /mol
熱伝導率
0.143 W/m·K (0 °C) 0.136 W/m·K (25 °C) 0.130 W/m·K (50 °C) 0.116 W/m·K (100 °C)[ 1]
屈折率 (n D )
1.3941 (20 °C)[ 1]
粘度
1.002 cP (0 °C) 0.685 cP (25 °C) 0.5 cP (50 °C) 0.305 cP (100 °C)[ 1]
構造
双極子モーメント
1.87 D (24 °C)[ 1]
熱化学
標準生成熱 Δf H o
−609.6 kJ/mol[ 2]
標準燃焼熱 Δc H o
3467 kJ/mol[ 2]
標準定圧モル比熱 , C p o
225.11 J/mol·K[ 2]
危険性
GHSピクトグラム
[ 5]
GHSシグナルワード
警告(WARNING)
Hフレーズ
H226 , H336 [ 5]
Pフレーズ
P261 [ 5]
主な危険性
可燃性
NFPA 704
引火点
22 °C (72 °F; 295 K) [ 3]
発火点
370 °C (698 °F; 643 K) [ 3]
許容曝露限界
TWA 150 ppm (710 mg/m3 )[ 3]
最低致死濃度 LCLo
14,079 ppm (ネコ, 72分) 13,872 ppm (モルモット, 4時間)[ 4]
半数致死量 LD50
10768 mg/kg (ラット, 経口)[ 3]
半数致死濃度 LC50
160 ppm (ラット, 4時間) 2000 ppm (ラット, 4時間) 391 ppm (ラット, 4時間) 1242 ppm (マウス, 2時間)[ 4]
関連する物質
関連する酢酸エステル
酢酸エチル 酢酸プロピル 酢酸アミル
関連物質
ブタノール
特記なき場合、データは常温 (25 °C )・常圧 (100 kPa) におけるものである。
酢酸ブチル (さくさんブチル、butyl acetate、酢酸 n -ブチル)はラッカー の製造などに用いられる化学物質である。
特徴
バナナ 様の甘い芳香を持つ無色の液体で、多くの果物に微量芳香成分として含まれ、他の物質と組み合わさって特徴的な香りを作っている。例えばリンゴ 、特にレッド・デリシャス の香りの一部はこの物質である。他に酢酸イソブチル 、酢酸tert -ブチル 、酢酸sec -ブチル の3種類の構造異性体を持つ。
用途
香料 (食品添加)
キャンディ、アイスクリーム、チーズなどに果物の香りを付ける物質を製造する原料として使われる。
香料以外
溶剤(溶媒)や中間原料として、塗料の希釈、硝酸繊維素原料、人造真珠用塗料、天然ゴム、医薬品、接着剤などの製造などにも使用される。OECDに報告されている1999年における生産量は1万トン以上である[ 6] 。
製造方法
硫酸 触媒 の存在下にて、酢酸とn-ブタノールから酢酸ブチルを合成し、脱低沸蒸留後、脱高沸蒸留する。
安全性
日本の消防法 では危険物 第4類・第2石油類に分類される[ 7] 。動物実験での半数致死量 (LD50 )は、ラットへの経口投与で14g/kg、ウサギへの経皮投与で5g/kg以上[ 8] 。
脚注