適用態適用態(てきようたい)または充当態(じゅうとうたい、英語: applicative)とは、斜格を動詞の結合価に追加する態である。形態論において、語の形態変化の結果としての語形は適用形と呼ばれる。また、統語論において、適用態を表す構文を適用構文(てきようこうぶん、英語: applicative construction)と言う。 例アイヌ語アイヌ語には動詞の結合価を上昇させる充当態接頭辞e-(具格、「~で」)、o-(処格、「~で」)及びko-(与格、「~に」)の存在が報告されている。[1]以下の例において、本来は1価しか持たない(主語のみで充足し、目的語を持てない)自動詞itakに、与格充当接頭辞のko-が付くと、2価を持つ(主語と目的語両方があって初めて充足する)他動詞koytakとなり、目的格人称接辞を取ることができるようになる。 シエラ・ポポルカ語ミヘ・ソケ語族のシエラ・ポポルカ語(英語: Sierra Popoluca)では、以下のような構文が存在する。 teːñ 「立ち上がった」 「彼は立ち上がった」 i-tyeːñ-ka 目的語.3SG-「立ち上がった」-具格 「彼は立ち上がった」 脚注
関連項目参考文献リンゼイ・J・ウェイリー(2006).言語類型論入門―言語の普遍性と多様性,岩波書店(原書は1996) |