西明寺(さいみょうじ)は、栃木県芳賀郡益子町にある真言宗豊山派の寺院である。山号は独鈷山。院号は善門院。本尊は十一面観世音菩薩であり、坂東三十三観音第20番札所である。現在の住職は、元国立がんセンター研究員の田中雅博[注釈 1]の妻、田中貞雅。
本尊真言:おん まか きゃろにきゃ そわか
ご詠歌:西明寺ちかひをここに尋ぬれば ついのすみかは西とこそきけ
歴史
天平年間(729年~749年)行基の開山、紀有麻呂の開基によって創建されたと伝えられる。その後、兵火などによりたびたび焼失したが、宇都宮氏・益子氏の援助によりそのつど再建された。江戸時代には江戸幕府から朱印状が与えられた。
文化財
重要文化財
- 楼門 - 入母屋造茅葺きの楼門。明応元年(1492年)の建立。
- 三重塔 - 天文7年(1538年)建立。屋根を銅板葺きとするのが珍しい。
- 本堂内厨子 - 本堂より古い室町時代の作。
栃木県指定有形文化財
- 本堂[1]
- 鐘楼
- 木造閻魔大王坐像(笑い閻魔)・両脇侍像[注釈 2]
- 木造千手観音菩薩立像 附:木札6枚
- 木造千手観音菩薩坐像
- 西明寺本堂厨子内仏像群(十一面観音立像、聖観音立像、馬頭観音立像、如意輪観音坐像、准胝観音立像、延命観音立像、勢至菩薩立像、毘沙門天立像)[注釈 3]
- 梵鐘
栃木県指定史跡
栃木県指定天然記念物
境内
境内には、普門院診療所を運営し、介護老人保健施設やグループホームも運営している。
前後の札所
- 坂東三十三観音
- 19 大谷寺 (宇都宮市) -- 20 西明寺 -- 21 日輪寺 (茨城県大子町)
脚注
注釈
- ^ 2017年3月21日、膵臓癌のため死去。
- ^ 指定名称は「両脇侍像」となっているが、正しくは「司命・司録像」と呼称すべきものである。
- ^ 西明寺本尊の十一面観音立像は、本堂厨子内仏像群の1体として県指定文化財となっている像とは別の像である。
出典
- ^ 益子の文化(益子町観光協会サイト)(以下の県指定文化財についても同様)
外部リンク