蘆花浅水荘
蘆花浅水荘(ろかせんすいそう)は、大正10年(1921年)日本画家山元春挙の別邸として琵琶湖の畔(滋賀県大津市中庄)に建てられた近代和風建築である。庭園は本位政五郎作。所有者は宗教法人記恩寺。 概要蘆花浅水荘は、琵琶湖の西岸に位置する。山元春挙がこの土地を購入したのは1914年(大正3年)で、1921年に本屋が上棟された。敷地はかつては琵琶湖に直接面しており、敷地東端には舟着場が残っているが、その後、湖岸が埋め立てられ、湖岸道路が開通して、往時の景観は失われている。敷地の南面、西寄りに表門を設け、主要な建物は敷地西側に建つ。表門を入ると「本屋」があり、その東に、中庭を挟んで「離れ」が建つ。本屋は居室部と炊事場(土間)からなり、東面北寄りに茶席「竹之間」が突出する。2階には画室と応接室がある。離れは北に11畳の広間(2畳の床(とこ)付き)、南に6畳の仏間があり、東面から南面にかけて畳廊下をめぐらす。東北隅に茶席「莎香亭」が接続し、その西に小間の書斎「無尽蔵」がある。南西隅には茶席「残月の間」が付属する。「残月の間」の南側には渡り廊下が矩折れに東方へ延び、持仏堂へ達する。また、本屋の北方、敷地の北西隅近くには土蔵が建つ。敷地東側は築山と流水を伴う庭園で、前述の持仏堂のほか、茶室、四阿(あずまや)などが建てられている[1]。 蘆花浅水荘は、大正期に営まれた別荘が、庭園や付属建物とともに良好に保存されており、土地を含めて重要文化財に指定されている。数寄屋造を基調とした建築は、各所に茶席を設けるなど、遊び心があり、意匠・工法ともに優れている[1]。 文化財重要文化財以下の建造物6棟および土地が国の重要文化財に指定されている[2]。
蘆花浅水荘においては、建造物とともに土地も重要文化財に指定されているが、現状変更に伴い、指定対象の土地の一部(147番地)が、2011年11月29日付けで重要文化財の指定を解除された。重要文化財に指定されている土地の面積は、1994年の指定当時は1,230平方メートルであったが、上述の一部指定解除後は1,032平方メートルとなっている。[9][10]
大津市指定文化財名勝
交通アクセス関連項目脚注
参考文献外部リンク |