菊谷 匡祐(きくや きょうすけ、1935年 - 2010年1月19日[1])は、日本の文筆家・翻訳家。
略歴
神奈川県出身。1958年早稲田大学第一文学部独文学専修卒業。早稲田大学在学中に、所属していた新聞部の原稿依頼を契機として、開高健の知遇を得る。その後、自身が開高健に提供した資料「カフカの断片集中の一片」がもととなり執筆された「流亡記」により衝撃を受け(本人曰く「30枚の短編のはずが120枚の中編となったことが、そのまま彼我の構想力の差に感じられた」)、「開高健の鑑賞家」となることを決意する。
1962年に早稲田大学大学院文学研究科芸術学コース修士課程修了後、出版社勤務ののちも開高健との公私に亘る親交は続き、1977年にはブラジル・アマゾンへの取材行にも同行する。それに先立って企画した「月刊プレイボーイ」編集長(当時)の岡田朴を開高健に紹介した。また、この取材行は「オーパ!」と題して連載された。
その後も自身の著述・翻訳を行うかたわら、開高健の関係するテレビ・雑誌等の企画にたびたび関与した。
著作
- 『世紀末的ゴルフ用語学』(嶋口信義共著、日本文化出版) 1994
- 『酒のかたみに~酒で綴る亡き作家の半生史』(たる出版) 1996
- 『世界ウィスキー紀行~スコットランドから東の国まで』(立木義浩写真、リブロポート) 1997
- 『ゴルフを愛した男たち~サントリーオープン物語』(TBSブリタニカ) 2000
- 『開高健のいる風景』(集英社) 2002
- 『早慶戦の百年 学生野球讃歌』(集英社新書) 2003
- 『開高健が喰った!!』(実業之日本社) 2005
- 『ゴルファーの品格考』(学習研究社、パーゴルフ新書) 2008
- 『ゴルフの見識』(幻冬舎) 2008
- 『真説青木功』(学研) 2010
翻訳
- 『アメリカン・タイム』(ボブ・グリーン、集英社) 1988、のち文庫
- 『キャバレー~ヨーロッパ世紀末の飲酒文化』(リサ・アピニャネジ、サントリー) 1988
- 『ダウン・ザ・フェアウェイ』(ボビー・ジョーンズ, オー・ビー・キーラー、スタジオ・シップ) 1989
- 『アメリカン・ドリーム』(ボブ・グリーン、集英社) 1989
- 『アメリカン・ヒーロー』(ボブ・グリーン、集英社) 1990
- 『アメリカン・スタイル』(ボブ・グリーン、集英社) 1991
- 『輝ける嘘』(ニール・シーハン、集英社) 1992
- 『晩秋のシカゴ~ミシガン大通りから』(ボブ・グリーン、集英社) 1992
- 『ハノイ&サイゴン物語』(ニール・シーハン、集英社) 1993
- 『マイケル・ジョーダン物語』(ボブ・グリーン、集英社) 1993、のち文庫
- 『ムーン・ショット 月をめざした男たち』(アラン・シェパード, ディーク・スレイトン、集英社) 1994
- 『ハーヴィ・ペニックのゴルフ・グリーン・ブック』(ハーヴィ・ペニック、集英社) 1995、のち文庫
- 『依頼なき弁護』(スティーヴ・マルティニ、集英社文庫) 1996
- 『トミー・アーマーのキング・オブ・ゴルフ』(小池書院) 1996
- 『私が変わればゴルフが変わる』(ボブ・ロテラ、飛鳥新社) 1996
- 『人は自分が思ったとおりのゴルファーになる』(ボブ・ロテラ、飛鳥新社) 1998
- 『ニック・プライスのザ・スウィング : Mastering the principles of the game』(小池書院) 1998
- 『今のスイングでいい 自分のゴルフを信じなさい』(ボブ・ロテラ、飛鳥新社) 1999
- 『ジャック・ニクラウス自伝』(ケン・バウデン編、飛鳥新社) 2000
関連人物
- 開高健 - 作家。公私に渡り親交を結ぶ。
- 村松剛 - 作家。大学在学中から親交。
- 立木義浩 - カメラマン。
脚注