『至福』(Seligkeit )D.433は、ルートヴィヒ・ハインリヒ・クリストフ・ヘルティ(英語版、ドイツ語版)の詩により、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトが1816年5月に作曲した歌曲。しばしば「幸福」とも訳される。
概要
詩は三節からなり、第一節と第二節が、素晴らしいと神父から聞いた天国への限りない憧憬を歌い、第三節は「でも、たとえどんなに天国が素晴らしくても、恋人のラウラがほほ笑むここにいるのが一番幸せだ」と締めくくられる。シューベルトはこれを完全な有節歌曲(Strophenlied)とし、ホ長調3/8拍子の、極めて明朗でかわいらしい曲を付けた。そのためか、この作品は様々な歌手たち、特に女声歌手たちによって、アンコール・ピースとして愛され、よく演奏される。
原詩全文
Seligkeit
Ludwig Heinrich Christoph Hölty
- Freuden sonder Zahl,
- blühn im Himmelssaal
- engeln und verklärten,
- wie die Väter lehrten.
- O da möcht ich sein,
- und mich ewig freu'n!
- Jedem lächelt Traut,
- eine Himmelsbraut;
- Harf' und Psalter klinget,
- und man Tanz und singet.
- O da möcht ich sein,
- und mich ewig freu'n!
- Lieber bleib ich hier,
- lächelt Laura※ mir
- einen Blick der saget,
- daß ich aus geklaget.
- Selig dann mit ihr,
- bleib ich ewig hier!
※この「ラウラ」は、女声歌手が歌う場合はしばしば「愛」(Liebe)と歌われる。
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