絲原記念館
絲原記念館(いとはらきねんかん)は、島根県奥出雲町にある歴史資料館。たたら製鉄で栄えた「鉄師御三家」絲原家の記念館。 併設施設に、国の登録有形文化財・絲原家居宅[1]、国の登録記念物・絲原氏庭園[2]、林間散策路・洗心乃路(せんしんのみち)[3]、大正建築を改装したカフェ・茶房十五代(さぼうじゅうごだい)[4]がある。 概要絲原記念館1980年(昭和55年)開館[5]。絲原家に伝わる歴史資料や美術工芸品を展示している[6]。主な所蔵品に、県の有形文化財でもある藤原定家筆『明月記』断簡をはじめ[7]、千利休・松平不昧・池大雅・円山応挙・長沢蘆雪・田能村竹田・田能村直入らの作品がある[8][9]。 絲原家居宅「絲原家居宅」は、江戸時代後期建築の客殿棟、1924年(大正13年)建築の母屋棟などからなる[10]。江戸時代には松江藩主の本陣宿にもなり、近代には与謝野鉄幹・与謝野晶子夫妻[3]、近衛文麿[3]、田能村直入[9]が宿泊した。2004年に国の登録有形文化財に登録された[1]。現在も当主家族が居住している[10]。 絲原家庭園「絲原家庭園[10](絲原氏庭園[2])」は、近代に造られた池泉回遊式の日本庭園であり、出雲流庭園の一例とされる[10]。作庭手法として、山々の借景や、松平不昧お抱えの庭師・沢玄丹の飛石の手法が使われている[10]。2018年に「絲原氏庭園」として、国の登録記念物に登録された[2]。 洗心乃路「洗心乃路」は、番頭・手代の住居や砂鉄採取場の跡地に造られた林間散策路であり、季節の草花が植えられている[11]。 茶房十五代「茶房十五代」は、登録有形文化財の大正建築を改装したカフェ。2018年にオープンした[5][4][12]。 絲原家絲原家は田部家・櫻井家とともに奥出雲の「鉄師御三家」と称される[4][11]。 江戸時代初期、中世武家の末裔だった初代が広島から奥出雲に移り帰農した後、たたら製鉄を開業[13]。江戸時代中期に現在地に移った[13]。大正後期、洋式製鉄の普及を受け家業を山林業に転換するとともに、12代絲原武太郎・13代絲原武太郎は貴族院議員を務め、木次線の開通に関わった[13][14]。 ロケ地映画『絶唱』(1958年)、TBS系テレビドラマ『LEADERS リーダーズ』(2014年)のロケ地になっている[15]。 関連項目脚注
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