秋田市立中央図書館明徳館
秋田市立中央図書館明徳館(あきたしりつちゅうおうとしょかん めいとくかん)は、秋田市千秋明徳町4-4にある秋田市立図書館の中央図書館である。 概要久保田藩の藩校「明徳館」に因む名称を持つ図書館である。1981年(昭和56年)7月まで当地に秋田市立明徳小学校[注釈 3]があり、移転後の跡地に開館した。なお、「秋田市立中央図書館明徳館」までが条例上の正式な名称である。分館として河辺分館(愛称「せせらぎライブラリー」)、明徳館文庫(フォンテ文庫)および移動図書館「イソップ号」が当館に附属する。かつては秋田市立土崎図書館、秋田市立新屋図書館の両館も当館の分館という扱いだったが、それぞれ1991年(平成3年)、1998年(平成10年)に現在の建物が完成し移転した際、組織上独立している[3]。 2012年(平成24年)度統計[1]によると、蔵書数は288,877冊、年間貸出数は383,551点となっており、市内の図書館の中で最も大きな規模であるが、貸出数は2003年(平成15年)をピークとして年々減少が続いており、長期的な利用の落ち込みが見られる。また、2011年(平成23年)から2012年にかけて蔵書数を大きく減らしている。 秋田市立図書館全体の特徴的な取り組みとして、郷土資料の積極的な収集が挙げられ、中央図書館明徳館では那波家(なばけ)文書、長瀬家文書、蓮沼家文書等の近世の古文書を所蔵しており、一部はマイクロフィルム化されるなどして閲覧が可能である。 歴史秋田市内の中心的な図書館であるが、歴史としては浅く土崎図書館、新屋図書館に続く市内3番目の設置であり、建物も開館以来のものがそのまま使用されている。これは歴史的に秋田市の図書館機能も秋田県立図書館が担い、市立図書館は市内地区レベルの図書館機能を担ってきたことに由来する。しかし、当時の土崎、新屋両図書館とも小規模なものであったため[注釈 4]、大型図書館である当館の創設は市立図書館全体の利用を大きく伸ばした[4]。また、開館当時は東北地方で初めてのコンピュータシステムを備えた公共図書館であり、当初より市内3館をオンラインネットワーク化し、市内図書館のいずれでも図書の貸出予約・返却を可能とした[5]ほか、1990年(平成2年)には全国で初めてキャプテンシステムの端末機を利用した図書の検索、貸出予約システムを導入する[6]など、先進的な取り組みで知られた。 2007年(平成19年)4月25日に河辺地区、河辺総合福祉交流センター内に河辺分館「せせらぎライブラリー」が開館し[7]、およそ16,000冊の蔵書を置いている。2011年(平成23年)7月1日には秋田駅前のフォンテ秋田6階に児童書を中心とした明徳館文庫(フォンテ文庫)を開設[8]。これはかつてフォンテ秋田の前身であるイトーヨーカ堂秋田店時代に「イトーヨーカドー子ども図書館」として児童書のコーナーが設置され子供たちに読み聞かせが行われていた事業(2009年9月終了[9])を、市民の要望に基づいてあらためて復活させたものであり、およそ3,500冊の蔵書を置いている。 年表
施設構造建物は谷口吉生の設計で、鉄筋コンクリート造、地上2階建て。1984年(昭和59年)に日本建築学会東北支部における東北建築賞作品賞を受賞、1998年(平成10年)に旧建設省により公共建築百選に選定された。1階には建物右側に児童書と絵本のコーナー、左側に一般書のコーナーがある。中央階段を上って中2階には中庭を望む小ラウンジがあり、2階には読書学習室、参考資料調査室のほか、石川達三記念室(入室無料)がある。 サービス館外貸出は秋田市内在住または通勤・通学者が対象。貸出には利用者登録が必要で、これは「イソップ号」を含む市内各図書館で受付を行っている。利用者登録をすることで、市内のいずれの図書館でも本の貸出予約および返却が可能となるほか、インターネット上でも貸出予約、貸出状況の確認が可能。このほかに視覚障碍者向けの朗読サービスがあり、毎週水曜・金曜および毎月第3土曜に、ボランティアの協力で対面朗読や電話による朗読を行っている。 館外貸出
開館時間
休館日
立地所在地は久保田城の三ノ丸下中城であり、江戸時代初期に家老を務めた梅津憲忠を祖とする梅津宗家(大梅津)の屋敷敷地の一部である。1902年(明治35年)から1981年(昭和56年)までは秋田市立明徳小学校およびその前身校が立地していた。千秋明徳町の町名は明徳小学校に由来する。 市街中心部にありながらも千秋公園の閑静な環境に位置し、周辺にはあきた芸術劇場ミルハス、秋田県立美術館などの文教施設が多い。南隣に隣接する小路は、当館の名前に因んで、1984年(昭和59年)に「明徳館小路」の愛称がつけられている。秋田駅西口からは徒歩6分ほど、広小路経由で徒歩8分ほどと案内されている。バスでは「千秋公園入口」または「千秋久保田町」「中央警察署前」等のバス停が最寄りである[注釈 5]。 周辺環境
脚注注釈
出典
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