私人間効力
私人間効力(しじんかんこうりょく)とは、憲法の規定を私人間(しじんかん)において直接に適用すること、また、そのような適用が許されるか否かという論点を指して言う場合もある。第三者効力ともいう。 憲法は本来、その国家を設置した国民自身が自らの国家権力を監督するためのものである。よって憲法が適用される典型的場面は「私人対国家」である。しかし、「私人」相互において社会的格差が生じている現代においては、人権侵害が生じる場面は対国家には限られず、私人相互の関係(たとえば、巨大企業対労働者の関係など)においてもその適用が問題となる。これが「私人間効力」の問題である。 学説
また、ある特定の形態の私的な人権侵害行為が裁判事件になり、裁判所でそれが是認されて司法的に執行されることになる場合には、その執行は違憲の国家行為になると考え、司法の介入を拒否することによって私的行為を憲法で抑制するものだとする司法的執行の理論もある。これはアメリカの判例からの考えであるが、日本においても、元々私人間の紛争であっても、裁判所による賠償命令・差止命令・強制執行等に至った場合、間接適用説・無適用説の立場に立ったとしても「公権力の介入」とみなし、もはや私人間効力の問題ではないとして憲法が直接適用されるという考えが一般的である。 直接適用間接効力説でも次の場合は直接適用があるとされる。
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