石灰硫黄合剤石灰硫黄合剤(せっかいいおうごうざい、Lime sulfur)とは、殺虫作用、殺菌作用を持つ農薬の一種。通常、赤褐色の強い硫黄臭(腐った玉子や硫黄を含む温泉の臭気)のする原液を希釈して利用する。 成分多硫化カルシウム(CaSx)が主成分。その中の五硫化カルシウム(CaS5)が効果の中心であるとされる。 適用注意事項一般的な農薬とやや性質が異なり、次のような点に注意を要する。
古くからある農薬で、正しく使う限り、安全性は高い。 ヒトが経口摂取した場合自殺目的などで、ヒトが経口摂取した場合、腹痛、下痢、消化管の潰瘍などの症状を引き起こす。 また、石灰硫黄合剤は胃酸により硫化水素と硫黄に分解される。腸内においては細菌の働きにより硫黄から硫化水素が生じる。硫化水素中毒となると意識レベル低下、呼吸抑制などとなる。至急、医療機関において適切な処置を行わないと最悪の場合、死亡する。 歴史1851年、フランスのベルサイユ宮殿の主任庭師だったGrisonによって開発された。硫黄は真菌に取り込まれると硫化水素に還元される。硫化水素はほとんどの細胞タンパク質にとって毒性がある。硫黄は植物にとっても有害であるため(薬害)、水酸化カルシウムと混合することで毒性を弱めることが行われた[1]。 脚注関連項目 |