犬糸状虫症
犬糸状虫症(いぬしじょうちゅうしょう、英:dirofilariasis)とはフィラリアの一種である犬糸状虫(Dirofilaria immitis)成虫が、肺動脈あるいは右心室に寄生する感染症(フィラリア症)を原因とする犬の循環障害[1]。犬フィラリア症ともされる。 犬糸状虫はトウゴウヤブカ[2]などの蚊を中間宿主とし、犬のほかにネコ科、クマ科、フェレットなどにも感染する。肺動脈寄生ではその2/3は無症状であるが、軽度では咳、中等度では可視粘膜の蒼白、運動不耐性、呼吸困難がみられ、重度では腹水、皮下浮腫、収縮期雑音、頸動脈拍動が認められる[1]。診断はミクロフィラリア検出が最も確実な方法であるが、オカルト感染に注意する必要がある。 治療は外科的成虫摘出、メラルソミンなどの薬剤による成虫の殺滅、ジチアザニンなどの薬剤によるミクロフィラリアの殺滅を行う。予防にはイベルメクチン、ミルベマイシン、モキシデクチンなどの薬剤を使用する。心奇形による左右短絡が存在すると虫体が左心系に移行し、動脈塞栓による奇異性塞栓症が発生することがある。 脚注
参考文献
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