探査機ドーン が撮影した準惑星 ケレス 。ケレスは小惑星帯 の中で最大の天体である。
この記事は小惑星の一覧 から何らかの観点で特徴があると考えられるものを抜粋した記事である。この中には準惑星 も含まれる。
準惑星である小惑星
ケレス 、冥王星 、ハウメア 、マケマケ 、エリス の5つは、2006年に採択された準惑星の定義 にあてはまる。このうちケレスのみ小惑星帯 の天体であり、残り4つは太陽系外縁天体 である。
直径の大きい小惑星
小惑星は不規則な形をしており、さらにアルベド が異なり、角直径 も小さいので、観測から小惑星の大きさを測ることは困難である。たとえば、C型小惑星 は他の小惑星に比べ、ずっと暗い。以下のリストは太陽 から海王星 の軌道までにある小惑星のみで、太陽系外縁天体 は含まない。
小惑星のサイズが小さくなるにつれて、天体数は急激に増える(パレート分布 )。
メインベルトのカークウッドの空隙 (2.5 au)より内側には大きい小惑星が少なく、上記リストに入っているものは(4) ベスタ 、(19) フォルトゥナ 、(7) イリス のみである。
質量の大きな小惑星
以下のリストは質量の大きな順である[ 1] 。ただし太陽 から海王星 の軌道までにある小惑星のみで、太陽系外縁天体 は含んでいない。リストの質量は火星 やその他の天体の摂動 による推定値である。
名称
質量 (× 10 19 kg)
精度
(1) ケレス
94.5
0.6%
(4) ベスタ
26.7
0.7%
(2) パラス
21
12%
(10) ヒギエア
9.0
3%
(704) インテラムニア
7.1
12%
(511) ダビダ
5.9
10%
(15) エウノミア
3.3
5%
(3) ジュノー
3.0
10%
(16) プシケ
2.6
13%
精度内の測定誤差を考慮すると、ダビダはインテムラニアより、ジュノーはエウロパより、プシケはジュノーより質量が大きい可能性がある。より完全なリストは大きさ順の太陽系天体の一覧
を参照。
逆行小惑星
以下は軌道傾斜角が90°以上で逆行 する小惑星のリストである。2010年9月現在、外縁天体を含めて36個の逆行する小惑星が知られている。また、逆行小惑星として発見された後に彗星 として再分類されたものもいくつかある(リストにあるのはその一部)。
名称
軌道傾斜角
発見日
コメント
2005 VD
172.912°
2005年11月1日
ハレー彗星 に似た軌道を持つ。
2006 LM1
172.138°
2006年6月3日
2008 SO218
170.361°
2008年9月30日
2006 GZ2
168.683°
2006年4月7日
後にスペースウォッチ彗星 (C/2006 GZ2 ) として再分類される。
2004 NN8
165.535°
2004年7月13日
軌道離心率 ~0.9875。
2006 BZ8
165.282°
2006年1月23日
2006 RJ2
164.651°
2006年9月14日
2009 WP104
162.705°
2009年11月20日
後にボアッティーニ彗星 (C/2008 S3) と同一天体であったことが判明。
(20461) ディオレッツァ
160.430°
1999年6月8日
ダモクレス族 、ケンタウルス族 。2000 HE46 はディオレッツァから分離した可能性がある。
2010 DG56
160.417°
2010年2月18日
後にWISE彗星 (C/2010 DG56 ) として再分類される。
2000 HE46
158.531°
2000年4月29日
ダモクレス族、ケンタウルス族。ディオレッツァから分離した可能性。
2010 EB46
156.636°
2010年3月12日
2009 HC82
154.496°
2009年4月29日
最も周期が短い逆行小惑星。
1999 LE31
151.846°
1999年6月12日
ダモクレス族、散乱円盤天体 、木星横断小惑星 、土星横断小惑星 。
2006 EX52
150.256°
2006年3月5日
冥王星族 。
2009 YS6
147.761°
2009年12月17日
2010 KW7
147.081°
2010年5月16日
2010 CG55
146.378°
2010年2月15日
2002 CE10
145.459°
2002年2月6日
後にLINEAR彗星 (C/2002 CE10 )として再分類される。
2010 BK118
143.933°
2010年1月30日
2010 OR1
143.854°
2010年7月16日
2010 NV1
140.770°
2010年7月1日
2009 QY6
137.804°
2009年8月17日
2006 RG1
133.308°
2006年9月1日
2007 VA85
131.769°
2007年11月4日
2005 NP82
130.586°
2005年7月6日
木星に繰り返し接近している(特に1646年、1872年、1978年)。
2009 UG89
130.100°
2009年10月22日
後にレモン山彗星 (C/2009 UG89 ) として再分類される。
2000 DG8
129.340°
2000年2月25日
ダモクレス族、散乱円盤天体。海王星を除くすべての小惑星帯より外側の惑星(outer planets)を横断する。
2010 LG61
123.732°
2010年6月2日
2010 PO58
121.145°
2010年8月5日
(65407) 2002 RP120
119.258°
2002年9月4日
ダモクレス族、散乱円盤天体。
2010 OM101
118.673°
2010年7月28日
2005 VX3
112.455°
2005年11月1日
2005 TJ50
110.391°
2005年10月5日
2007 VW266
108.295°
2007年11月12日
2009 DD47
107.449°
2009年2月27日
2010 GW64
105.310°
2010年4月6日
2008 YB3
105.050°
2008年12月18日
2008 KV42
103.438°
2008年5月31日
ダモクレス族、海王星横断小惑星、ケンタウルス族。
2010 GW147
99.687°
2010年4月14日
2005 SB223
91.518°
2005年9月30日
特色ある小惑星
以下のリストは木星の軌道までの小惑星で、天文学史的、物理性質的に意味のあるもののリストである。
名称
直径 (km)
発見日
コメント
(5) アストラエア
117
1845年12月8日
ベスタ 以来38年ぶりに発見された小惑星。
(87) シルヴィア
261
1866年5月16日
複数の衛星を持つことが初めて確認された小惑星。
(90) アンティオペ
80×80
1866年10月1日
ほとんど同じ大きさの二重小惑星 を構成している。伴星は補償光学 を用いて発見された。
(92) ウンディナ
126
1867年7月7日
過去1億年で最も大きな小惑星同士の衝突の1つ で誕生した。
(139) 瑞華
162
1874年10月10日
中国で発見された初めての小惑星。発見者はJ. C. ワトソン 。
(216) クレオパトラ
217×94
1880年4月10日
犬の骨のような形をしたM型小惑星 。
(243) イダ
56×24×21
1884年9月29日
初めて確認された二重小惑星 。
(243.1) ダクティル
1.4
1994年2月17日
イダの衛星。初めて確認された小惑星の衛星。
(279) チューレ
127
1888年10月25日
小惑星帯 (メインベルト)の最も外側で木星と4:3の軌道共鳴 状態にある。
(323) ブルーシア
36
1891年12月22日
天体写真 によって発見された初めての小惑星。
(433) エロス
13×13×33
1898年8月13日
初めて発見された地球近傍小惑星 。
(490) ヴェリタス
115
1902年9月3日
過去1億年で最も大きな小惑星同士の衝突の1つで誕生した。
(624) ヘクトル
370×195
1907年2月10日
発見された木星のトロヤ群 で最も大きな小惑星。
(719) アルベルト
2.4
1911年10月3日
小惑星番号を与えられ、ロストした小惑星の中で、最後に再発見された小惑星。
(846) リッペルタ
52.4
1916年11月26日
自転速度が非常に遅く、周期が68.4日もある。
(1125) チャイナ
1957年10月30日
個人ではなく天文台の名前が発見者として登録された初めての小惑星。
(1566) イカルス
1.4
1949年6月27日
アポロ群 で、近日点は水星 より太陽に近い。
(3200) ファエトン
5
1983年10月11日
宇宙から発見された初めて小惑星。ふたご座流星群 の母天体。
(3753) クルースン
5
1986年10月10日
地球と共鳴軌道 にある最初に発見された天体。
(4179) トータティス
4.5×2.4×1.9
1989年1月4日
自転軸が2つある。
(4769) カスタリア
1.8×0.8
1989年8月9日
初めてレーダー観測によって十分な精度の三次元形状のモデルが作成された小惑星[ 2] 。
(5261) エウレカ
~2–4
1990年6月20日
火星のトロヤ群としては最初に発見された小惑星。
(11885) Summanus
1990年9月25日
地球近傍天体 で初めて自動サーベイによって発見された。
(29075) 1950 DA
1.1
1950年2月23日
2880年3月16日、地球に非常に接近する。
(99942) アポフィス
0.3
2004年6月19日
初めてトリノスケール が1より大きい値がつけられた。2、後に4となり、現在では0となっている。
1998 KY26
0.030
1998年6月2日
ラブルパイル では存在しえない事が分かる最初の天体。
2008 TC3
~0.003
2008年10月6日
地球と衝突する前に発見された初めての天体。2008年10月7日に地球の大気圏内で爆発した。
探査機の目標
探査機の目標となった小惑星を挙げる。小惑星探査の歴史 も参照。
名称
直径 (km)
発見日
探査機
探査年
(1) ケレス
959×933
1801年1月1日
ドーン
2015年予定
(4) ベスタ
468
1807年3月29日
ドーン
2011年予定
(21) ルテティア
120×100×80
1852年11月15日
ロゼッタ
2010年
(140) シワ
103
1874年10月13日
ロゼッタ
2008年(中止)
(243) イダ
56×24×21
1884年9月29日
ガリレオ
1993年
(253) マティルド
66×48×46
1885年11月12日
NEARシューメーカー
1997年
(433) エロス
13×13×33
1898年8月13日
NEARシューメーカー
1998年、2000-2001年
(951) ガスプラ
18.2×10.5×8.9
1916年7月30日
ガリレオ
1991年
(1620) ジオグラフォス
5.1×1.8
1951年9月14日
クレメンタイン
1994年(中止)
(2530) シプカ
1978年7月9日
ロゼッタ
中止
(2685) マサースキー
15-20
1981年5月3日
カッシーニ
2000年
(2703) Rodari
1979年3月29日
ロゼッタ
中止
(2867) シュテインス
4.6
1969年11月4日
ロゼッタ
2008年
(3352) マコーリフ
2-5
1981年2月6日
ディープ・スペース1号
中止
(3840) Mimistrobell
1980年10月9日
ロゼッタ
(4660) ネレウス
~1
1982年2月28日
NEAP はやぶさ
(キャンセル) (中止)
(4979) Otawara
5.5
1949年8月2日
ロゼッタ
中止
(5535) アンネフランク
4.0
1942年3月23日
スターダスト
2002年
(9969) ブライユ
2.2×0.6
1992年5月27日
ディープ・スペース1号
1999年
(25143) イトカワ
~1
1998年9月26日
はやぶさ
2005年
(83982) クラントル
85?
2002年4月12日
ニュー・ホライズンズ
2010年?
(99942) アポフィス
0.27 - 0.41
2004年6月19日
ドン・キホーテ
2015年予定
(132524) APL
~2.5
2002年5月9日
ニュー・ホライズンズ
2006年
(101955) ベンヌ
~0.5
1999年9月11日
オシリス
2019年
(162173) リュウグウ
0.7
1999年5月10日
はやぶさ2
2019年
(163249) 2002 GT
0.8
2002年4月3日
エポキシ
中止
1999 KK1
1999年5月17日
ディープ・スペース1号
中止
2003 SM84
0.07 - 0.16
2003年9月20日
ドン・キホーテ
2016年予定
彗星でもある小惑星
名称(小惑星)
名称(彗星)
コメント
(2060) キロン
95P/キロン
1977年にケンタウルス族 の小惑星として発見され、後に彗星としても登録された。
(4015) ウィルソン・ハリントン
107P/ウィルソン・ハリントン彗星
1949年に新彗星として発見されるがロストしてしまう。1992年に、1979年に発見された小惑星 (4015) 1979 VAと同一の天体であることが報告された。
(7968) エルスト・ピサロ
133P/エルスト・ピサロ彗星
1996年に彗星として発見されるが、1972年に発見された小惑星1979 OW7 と同一の天体であることが分かった。
(60558) エケクルス
174P/エケクルス
コマ を持つことが後に分かった。
(118401) LINEAR
176P/LINEAR彗星
メインベルト彗星 。2005年11月26日にコマ が見つかった。
小惑星番号が振られる前の仮符号しか持たない小惑星が彗星だと分かるケース(たとえば、2001 OG108 がLONEOS彗星 (C/2001 OG108 ))以外はきわめて少ない。
地球に接近する小惑星
自転の遅い小惑星
自転周期 は光度曲線 やレーダーからの少ないデータで決定されている。大部分の小惑星は24時間以内だが、(288) グラウケ は、およそ50日である。
参照 : Minor Planet Lightcurve Parameters(英語)
潜在的に危険な小惑星
準衛星
日本神話に関する名を持つ小惑星の一覧
地名に由来する小惑星の一覧
人名に因む名を持つ小惑星の一覧
フィクションの作品に因む名を持つ小惑星の一覧
特別な番号の小惑星一覧
名前が重複している太陽系内の天体
参考文献
Dictionary of Minor Planet Names, 5th ed.: Prepared on Behalf of Commission 20 Under the Auspices of the International Astronomical Union , Lutz D. Schmadel , ISBN 3-540-00238-3
脚注
関連項目
外部リンク