片道切符

片道切符』(かたみちきっぷ)は、和田尚子による日本漫画作品のシリーズ。

概要

1994年から1999年まで『デラックスマーガレット』および『別冊マーガレット』(いずれも出版元は集英社)にて連載されていた。各話ごとにタイトルが異なり、それらを総じて片道切符シリーズと呼ぶ。

集英社文庫(コミック版)より、『片道切符』のタイトルで全6巻が刊行されている。なお、最初に刊行されたマーガレットコミックス(集英社)の単行本は、巻ごとにタイトルが異なり、また1巻目の『片道切符』を除いてタイトルには「片道切符シリーズ」が併記されていたが、文庫版でのタイトルはすべて『片道切符』に統一されている。

あらすじ

真面目な優等生の中園麻里と、バスケ一辺倒の武来杏の恋愛を描く。

受験を間近に控え、高校生活最後の思い出を作りたいと、バスケ部のマネージャーの友達に嘘をつくのを協力してもらい、代理マネージャーとして、少しでも傍で過ごそうと計画した麻里。

少しだけ関係が近付けたかに思えたが、すぐにその嘘はバレてしまい、武来との関係も最悪な形で終わりを告げてしまう。

再び受験勉強に集中し、センター試験の当日を迎えた麻里は、駅で武来と遭遇。苦しい恋になるのを覚悟で、武来に思いの丈を告げる。

一途に武来を想い続ける麻里の気持ちも、やがて武来に届き、2人は恋人同士に。お互いかけがえのない存在となっても、2人を隔てる様々な事柄、2人の未来は……。

登場人物

中園 麻里(なかぞの まり)
IQ180を超える頭脳の持ち主で、「天才」をもじって「天ちゃん」と呼ばれている。全国模試では常に上位10位以内に入る。
高校卒業後は、T大へ入学。色々な人との出会いを経て、養護学校の教師を目指すようになる。
名前の由来は作者の友人の娘。
武来 杏(ぶらい きょう)
バスケ一辺倒でぶっきらぼうな性格。大学でもバスケを続け、努力の結果1年生でスタメン入りの快挙を果たす。大学卒業後は実業団のチームに入る。「女は面倒くさい」という考えの持ち主。「15歳以下とバスト83cm以下」を女と見なしていない。
名前の由来はブライアン・アダムス
実家は酒屋。兄と弟がおり、母親は末弟の早産が原因で体を壊し、死亡。兄曰く、「人に甘えることを知らずに育った」。
花井 律子(はない りつこ)
杏の幼なじみ。家は精肉店。
酒に酔った親同士が、「将来杏と律子を結婚させる」約束をした。杏のことが好きで、『そんな約束に頼らないで、杏の心も杏の家族の信頼も勝ち取る』と麻里に宣言する。酒屋の手伝いもよくしており、杏の家族とも仲が良い。
矢野 美根子(やの みねこ)
麻里とは幼稚園以来の幼なじみ。美子(みこ)と呼ばれている。高校ではバスケ部のマネージャーをしている。高校卒業後はOLに。その後、博多へ転勤となり、会社の先輩と電撃結婚をする。
須田(すだ)
バスケ部の部長。武来の親友。
章子(しょうこ)
須田の彼女。背が低く童顔で、大学の時再会した麻里には中学生と間違えられるほど。須田の家族にも公認の仲。番外編『ハッピーエンドの一片』シリーズの主人公。

各話一覧

本編

タイトル 掲載誌 掲載号 単行本 文庫版
片道切符 デラックスマーガレット 1994年11月号 片道切符 第1巻
各駅停車 1995年5月号
途中下車 1995年7月号 途中下車
始発電車 1995年9月号
浪漫鉄道 1995年11月号
月の駅舎 1996年1月号 時間旅行 第2巻
時間旅行 1996年5月号
時間旅行II 1996年11月号
時間旅行III 1997年5月号 夜間飛行
夜間飛行 1997年7月号 第3巻
夜間飛行II 1997年9月号
天然航路 1997年11月号 銀河列車
聖夜迷路 1998年1月号
銀河列車 1998年3月号
春色歩道 1998年5月号 春色歩道 第4巻
春色歩道II 1998年7月号
真夏門扉 1998年8月号増刊
真夏門扉II 1998年9月号 初冬街路
秋雨虹橋 1998年11月号
初冬街路 1998年12月号増刊
初冬街路II 1999年1月号
卒業旅行 1999年3月号 湾岸道路(前) 第5巻
湾岸道路I 別冊マーガレット 1999年5月号
湾岸道路II 1999年6月号
湾岸道路III 1999年7月号
湾岸道路IV 1999年8月号 湾岸道路(後)
湾岸道路V 1999年9月号
湾岸道路VI 1999年10月号
片道切符'99 1999年12月号 第6巻

番外編

武来の親友・須田と、その彼女・章子の物語。連載時期はこちらの方が先である。

タイトル 掲載誌 掲載号 単行本 文庫版
ハッピーエンドの一片 デラックスマーガレット 1993年11月号 ハッピーエンドの一片 「片道切符」第6巻
ハッピーエンドの二片 1994年3月号
ハッピーエンドの三片 1994年7月号
ハッピーエンドの四片 1994年9月号

外部リンク