火の夜
『火の夜』(フランス語: Nuits de feu)は、1937年(昭和12年)製作・公開、マルセル・レルビエ監督によるフランスの長編劇映画である。 略歴・概要1900年前後、ロシア帝国(現在のロシア)のレフ・トルストイが執筆し、死後発表された戯曲『生ける屍』を、マルセル・レルビエがT・H・ロベールらと共同で脚色し、映画化したものである。 日本での配給は、エムパイヤ商事合名会社が行った[1]。 スタッフ
キャスト
ストーリー舞台は1904年、ロシアのサンクトペテルブルク。裁判所では、殺人事件に関する公判が開かれていた。被告は嫉妬に駆られて妻を殺した若い男、弁護士も若い青年セルジュ・イワノヴィッチ・ロストフ(ジョルジュ・リゴー)、検事はセルジュの恩師フェードル・アンドレイエフ(ヴィクトル・フランサン)である。 セルジュとフェードルは論戦をぶつけあったが、私生活では仲がよい。傍聴席にはフェードルの妻リザ(リザ・アンドレイエワ)がいる。この裁判はセルジュの初陣であり、リザも気になっているのである。そこでフェードルが耳にしたのは、裁判所の代理人ボビニーヌ(ガブリエル・シニョレ)が書記を相手にした噂話。セルジュとリザの間にある噂であった。被告への判決はシベリア送りの終身刑であった。 裁判を終えた後で、セルジュと妻を先に劇場にいってもらい、フェードルは被告の許を訪れた。被告は妻を殺したが愛していた、自分は余計者だったのだと嘆く。遅れて劇場にフェードルが到着する。フェードルの目には、セルジュと妻が非常に親しいものに映った。その夜の演目はバレエ『火の夜』であった。バレエが終わり、ネヴァ川のほとりに馬車を止め、散歩し始める3人。フェードルは突然、セルジュに激しい言葉を浴びせかけてしまう。セルジュと妻は馬車に戻り、フェードルはジプシー(ロマ)の酒場へ行き、遺書を書き、自殺を図る。それを止めたのが、ジプシーの娘マーシャ(マドレーヌ・ロバンソン)であった。 翌朝、ネヴァ川に、フェードルのコートと遺書が見つかり、死体があがる。フェドール・アンドレイエフは死んだものとみなされた。リザは未亡人となり、夫を思いながらつらい日々を送る。1年が経ち、警察は、自殺ではなく、リザをフェードル殺しの犯人であると断定した。 ロシア軍の最前線にある勇敢な兵士がいた。「ピョートル・イグナトフ」と名乗るその兵士は、リザという女が夫殺しの罪で裁判中であることを知る。「ピョートル」の正体は、死んだはずのフェドール・アンドレイエフであった。 サンクトペテルブルクでの裁判では、フェードルが亡くなった最後の夜に、3人を乗せた馬車の御者が証言をし、リザは有罪が決定的な情勢となっていた。すでに昇進していたボビニーヌが刑を宣告しようとするそのとき、法廷に兵士「ピョートル・イグナトフ」が現れる。「ピョートル」は自らのすべてを法廷で語る。この証言により、告訴は却下され、リザは冤罪から放免される。フェードルは再び「ピョートル」として戦地に戻る。リザはいつまでも待つと彼に伝えるのである。 関連事項註外部リンク |