濡女子忽那諸島の怒和島や二神島では、海から現れ、名前の通り髪が濡れているという[1]。愛媛県宇和地方では海から現れるとはいわれていないが、髪が洗いざらしで濡れているという[1]。同じく愛媛の大洲市菅田町では、びしょ濡れの全身に木の葉を纏っていたという[2]。長崎県の壱岐島では海や沼から全身ずぶ濡れの姿で現れ、対馬南部では雨の降る夜に濡れた姿で現れるという[1]。 人を見ると笑いかけてきて、人が笑い返すと一生付きまとう[1]。愛媛の鬼北町や三間町(現・宇和島市)では、「やかましい」と言うと消えてしまうともいう[3]。 また妖怪漫画家・水木しげるの著書などには、宇和島地方の妖怪・濡女子の別名として針女があり、乱れ髪の女が通りがかりの男に笑いかけ、笑い返した男に取り憑くというが、作家・村上健司は、水木が濡女子の特徴を強調した上で「針女」と命名したものと推測している[4]。 濡女子の登場する作品『地獄先生ぬ〜べ〜』(原作:真倉翔・作画:岡野剛)には「濡れ女子」という妖怪が登場する話がある。そこでは体が濡れた女の姿で、雨の日に男に笑いかけ、笑い返した男に取り憑くという妖怪で、取り憑いた男の周囲を湿らせ、やがて健康を害して取り殺す設定となっている。水分を失うと死ぬという設定もある。作中ではある男に取り憑いたが、その男が信じられないほど不潔な上にタフな体で全く死なず、さらには好意を持たれた上に趣味の変な格好までさせられるなどし、主人公に助けを求め泣きつくというコミカルな内容となっている。 『こじらせ百鬼ドマイナー』(南郷晃太)では濡女子の少女瀬々良木碧が登場。一族に伝わる説話や「濡女子はいるだけで迷惑がられる」という教えから極度に謙虚な性格をしていたが、主人公たちと出会い少しずつ積極性を身につけていく。 脚注
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