渡瀬 信之(わたせ のぶゆき、1941年- )は、日本のインド哲学研究者。東海大学名誉教授。
研究内容
ブラフマニズム世界の形成
ブラフマニズム世界は紀元前 6 世紀頃から紀元前後ころまでにかけて形成され、後のヒンドゥー教世界の社会的基盤となった。この世界の形成の全体を最初期のダルマシャーストラ(Dharmasaastra 古典期インドにおける倫理・道徳・価値観・法律・社会制度に関する百科全書)を中心資料として解明している。
多様性の中の統一性
多様性の中の統一[1]性という言葉によって表現されるインド文明の特徴について、その形成過程および実態を文明論的見地に立って考察している。
略歴
著作
単著
訳注
論文
- 「イギリス統治下におけるヒンドゥー法整備と問題の所在 -近古ヒンドゥー法典に見られる法解釈の基本姿勢-」『RINDAS伝統思想シリーズ6』龍谷大学現代インド研究センター 京都、2011年
- 「ブラーフマニズム社会の形成」『文明50号』、東海大学文明研究所
- 「法典において見られる人間観」。前田専学編『東洋における人間観』東京大学出版会
- 「法典の成立とその思想」『インド思想Ⅰ 岩波講座・東洋思想 第5巻』岩波書店、1988年
- 「世界創造説とマヌ・スムリティ 第一章の意義について」『足利惇氏[2]博士喜寿記念オリエント学インド学論集』(日本オリエント学会)国書刊行会 1978年。
脚注
- ^ 「多様性の中の統一」は、Bhinneka Tunggal Ikaというスローガンで多民族国家インドネシアの国是ともなっている。
- ^ 「随想、思い出の記 足利惇氏著作集第三巻」(東海大学出版会、1988年)を尚樹啓太郎と編。
参考文献
- 渡瀬信之 『マヌ法典:ヒンドゥー教世界の原型』 中公新書:東京 1990年
- 渡瀬信之訳注 『サンスクリット原典全訳 マヌ法典』 中公文庫:東京 1991年
- 渡瀬信之・井狩弥介訳注 『ヤージュニャヴァルキヤ法典』 平凡社東洋文庫:東京 2002年
- 京都新聞朝刊(2008年4月3日(木)付、22面)「天橋立観光協と神戸夙川学院大が協定」、京都新聞社
外部リンク