深川屋
有限会社深川屋(ふかわや)は、三重県亀山市の旧東海道の関宿で、江戸時代から菓子「関の戸」を製造販売している和菓子の老舗。 概要寛永年間(1624年~1645年)に初代服部保重(服部半蔵(正成)の同族と称する[1])により創業。やがて東海道を通行する多くの大名に、関の戸の味が評判となり買い求められるようになる。1830年(天保元年)には光格上皇から御室御所(仁和寺)の御用達菓子司を仰せつかり、陸奥大掾の官位を賜る。 深川屋の建物は、旧東海道の宿場町として有名な三重県亀山市の関宿に残る江戸時代からの伝統的な建築物である。漆喰を塗籠めた土壁に虫籠窓がある二階建て平入りの家屋で、源氏車に二つ竹の家紋を施した細工瓦が広い間口の上を覆っている。二階中央にある庵看板には、京都側から見ると漢字で「関能戸」と書かれ、江戸側から見ると平仮名で「関(草書)の戸」と書かれており、東海道を行き来する旅人が平仮名をみて歩けば上り方面 漢字を見て歩けば下りと 東西方向を確認するための目印ともなっていた。 深川屋の店内には、「御室御所御用所 関の戸 服部陸奥大掾」と書かれた外箱と、その内に収められた螺鈿の菓子箱、「関所御免」の前掛け付き裃などが展示されている。 関の戸関の戸は、寛永年間より作り続けられている餅菓子で、赤小豆のこし餡を、白い求肥皮で包み、阿波の和三盆(創業当時は唐三盆)をまぶしたその姿は鈴鹿峠の峰に降り積る雪をモチーフに考案されたと伝えられている。 また、当主を継ぐ際に代々「関の戸の味 変えるべからず」とした文書に血判を捺する等の制約により[2]開業以来一種類しか存在していなかった関の戸であるが、2014年(平成26年)8月2日からは「お茶の香(か) 関の戸」という伊勢茶風味の製品も販売が開始された。これは、地元亀山市の伊勢茶を用いたもので、みえフードイノベーション事業の一環で開発・製造された製品である。その他にも現当主は他の味の展開や、関の戸を具としたあんぱん「しゃりしゃりあんぱん」[3]など、新商品の開発に積極的である。 関連項目
脚注出典
外部リンク |