海中で人間に直接危害を与える可能性がある生物の一覧本記事は、海中で人間に直接危害を与える可能性がある生物の一覧である。鋭い棘や歯、毒を持つ海洋生物は少なくないが、海で行動する人間を積極的に襲う生物は希である。しかし、スクーバダイビング中にうっかり触れてしまうなど、人間側の行動が原因で被害を受けることは多い。 死亡例も確認されており、1929-1992年の沖縄県での統計では、ダツ類 7名、ウミヘビ類 8名、オコゼ類 1名、サメ類 1名、アンボイナガイ 4名、ハブクラゲ 1名の被害が報告されている[1]。 魚類毒を受けた場合、熱に弱いタンパク質であることが多いので、応急処置としては耐えられる程度の湯(目安として40-50℃ぐらい)に30-60分浸すと良い場合が多い。また、毒が無くても、ナイトダイビングなどの際、光に向かって突進してきて皮膚に突き刺さる種類の魚、噛み付く魚もいる。
ウミヘビ咬まれてから症状が出るのに時間がかかり、気付いた時には手遅れとなることもある。呼吸困難やショック症状などで死に至ることもある。咬まれた場合には即水中から上がり、直ちに医師の診察を受ける必要がある[9]。
刺胞動物刺胞動物にはクラゲやイソギンチャクなどが含まれる。刺胞を持ち、触手で直接刺したり、刺胞を放出して刺したりする。刺された場合には、まずは擦らずに海水等で刺胞を洗い流す。 刺された場合に「酢をかけると良い」とする解説も多いが、カツオノエボシ、ウンバチイソギンチャクの場合にはかえって刺胞を破裂させてしまうこともある[10]。 また、心停止、呼吸停止した場合には、心肺蘇生が必要である[11]。 対症療法ではあるが、ステロイド軟膏と冷却が効果がある[12]。
その他
主な応急処置水中生物の毒は非常に強いことが多く、水中で意識障害を起こして溺れることもあるため、他の人の救助が必要な場合が多い。また、ある種の生物毒の処置に適切な応急処置であっても、別の生物の毒に対してはかえって悪化させることもあるため、まずは被害を与えた生物の特定をして、種類に応じた処置をする必要がある。また、古い文献に書かれている応急処置法は、他の生物からの類推であることも多く、間違っている場合もあるので[10]、できるだけ新しい情報を調べておくことも重要である。 一般的な応急処置としては、傷口を海水で洗い(真水ではかえって傷口を刺激することがある)、毒針などが残っていたらピンセットなどで取り除き、傷口の心臓に近い側を縛って毒を搾り出す(ただし毒針や刺胞が残っている場合にはさらに悪化したり、触った手が毒を受ける場合もある)[3]。ただし、ダツの被害のように大きな異物が刺さっている場合には、傷口を広げないためにぬかないほうがよい場合もある[7]。 毒は熱に弱いたんぱく質であることが多いため、耐えられる程度の湯に30-90分浸すとよい場合が多い[4]。しかし、ヒョウモンダコの持つテトロドトキシンのように、熱に強い毒に対しては効果が無い。また、患部を冷やした方がよい場合もある。 いずれにせよ、専門の医療機関での早急な治療が必要な場合が多い。 注釈、出典
|