『殺してもいい命』(ころしてもいいいのち)は、秦建日子による日本の推理小説。「刑事・雪平夏見シリーズ」の第3作。前作の2年後から物語は始まる。
あらすじ
多摩川の河川敷で男性の遺体が発見される。心臓の真上にはアイスピックが突き立てられ、口には細く丸め赤いリボンをかけた紙が突っ込まれていた。
紙には、“フクロウ”を名乗る人物からの「殺人ビジネス始めます」「20人殺したら引退」など連続殺人の宣戦布告とも取れる内容が書かれ、ご丁寧にも領収書まで一緒に入れてあった。「私こと佐藤和夫は、確かに、フクロウに殺されました」と……。殺されたのは、雪平夏見の離婚した元夫だった。
手がかりを残さない“フクロウ”に、捜査はほとんど進展せず、雪平は相棒の安藤、林堂・平岡と共に捜査本部に知られればクビも免れない、許されざる方法で“フクロウ”を見つけようとする。
登場人物
警視庁
- 雪平 夏見(ゆきひら なつみ)
- 捜査一課検挙率NO.1の“無駄に美人”な刑事。40歳。
- 安藤 一之(あんどう かずゆき)
- 捜査一課刑事。雪平の相棒。
- 林堂 航(りんどう わたる)
- 捜査一課強行班三係。2年前の幼女誘拐事件後に異動となった。
- 平岡 朋子(ひらおか ともこ)
- 捜査一課強行班三係。イブも正月も仕事を入れる。
- 山路 徹夫(やまじ てつお)
- 捜査一課長。
- 沢井(さわい)
- 捜査一課の刑事。
- 島田(しまだ)
- 捜査一課の刑事。
- 鯰江 規雄(なまずえ のりお)
- 玉川南署刑事。雪平とは同期で、彼女の結婚式にも出席した。実家は鍵屋。
- 相田 紅彦(あいだ べにひこ)
- 捜査二課警部補。ネット班のチーフ。40代半ば。緑と青のツートンカラーの派手な眼鏡をかけている。上司にも平気で突っかかる、雪平と似た部分がある。
- 浜名(はまな)
- 北品川署の警部補。
- 小森(こもり)
- 検死官。
- 阿部(あべ)
- 碑文谷署の巡査部長。
事件関係者・その他
- 小田 愛美(おだ まなみ)
- 永井をストーカーで訴える。伯父は刑事部長の羽田。デザイン事務所に勤めている。
- 永井 隆(ながい たかし)
- カメラマン。愛美の働くデザイン事務所で仕事をして以後、付きまとうようになる。
- 迫田 勝(さこた まさる)
- 迫田探偵事務所の所長。依頼されるのは8割方浮気調査。
- 羽沼 弘毅(はぬま ひろき)
- 30歳前後。表向きは小さな金融会社の社長。
- 佐藤 和夫(さとう かずお)
- 雪平の元夫。別の女性と再婚して間もなく、“フクロウ”に殺される。
- 岩根 貴洋(いわね たかひろ)
- 中堅家電メーカーの人事担当役員。リストラの実務を担当している。“フクロウ”に殺される。
- 川手 桃子(かわで ももこ)
- 猫の愛護ボランティア活動に勤しむグループのリーダー的存在。40歳、主婦。
- 玉田 元(たまだ はじめ)
- 平岡の元彼氏。金融マン。平岡が刑事だと知って別れたいと言った。
- 佐藤 由布子(さとう ゆうこ)
- 和夫の再婚相手。30歳。1年半ほどの交際を経て結婚した。雪平に美央と3人で暮らさないかと提案する。
- 赤木 友江(あかぎ ともえ)
- 4年前に雪平が射殺した少年の母親。修善寺温泉で住み込みの仲居として働いている。
舞台
2019年6月21日から30日までサンシャイン劇場において上演された[1][2]。脚本・演出は菅野臣太朗、音楽は野田浩平[1][2]。
「アンフェアな月」から続く、「刑事 雪平夏見シリーズ」の舞台化の第2弾として公演[1]。
脚注
外部リンク