横田 一(よこた はじめ、1957年[1] - )は、日本のジャーナリスト[2][3]。2017年の第48回衆議院議員総選挙直前に、小池百合子東京都知事から「排除」発言を引き出したことで知られる[4][5]。
経歴
山口県生まれ[1]。東京工業大学卒[1]。奄美大島宇検村入植グループ(無我利道場)を右翼団体松魂塾が襲撃した事件を描いた「漂流者達の楽園」で、1990年ノンフィクション朝日ジャーナル大賞受賞[1]。その後、政官業の癒着、公共事業見直し、国会議員(特に族議員)ウォッチングを続け、様々な選挙を取材している[1]。
活動
2017年9月25日、東京都知事の小池百合子は、10月の衆院選に向け、自身が代表を務める「希望の党」の結党を発表した[6]。小池が都知事に就任した2016年以降、毎週金曜日の14時に行われる小池の定例会見にできる限り出席するようにしてきた横田は、9月29日の定例会見にも出席。質疑でフリーランスの記者が指されることはほとんどなかったが、この日、半年ぶりに指名され、以下のやりとりがなされた[7][8][9]。
横田 前原代表が昨日、所属議員向けに「希望の党に公認申請をすれば、排除されない」という説明をしたのですが、一方で小池知事は「
安保、改憲を考慮して一致しない人は公認しない」と。(前原代表と)言っていることが違うと思うのですが、前原代表を騙したのでしょうか。それとも共謀して、そういうことを言ったのでしょうか。
小池 前原代表がどういう発言をしたのか、承知をいたしていませんが、「排除されない」ということはございませんで、排除いたします。
小池の「排除」発言は、希望の党の失速の一因となり、立憲民主党が誕生するきっかけとなった[10][11]。10月22日の総選挙で希望の党は大敗した[12]。
2021年9月8日、高市早苗が衆院議員会館で会見し、自民党総裁選への立候補を正式に表明した。質疑の際、挙手をしても最後まで指されなかった横田は会見の終盤に「森友事件の再調査するんですか」「安倍さんの傀儡政権なんですか」と大声で質問を投げかけた。前者の質問に対し、高市は「一人の公務員が大変追い詰められ、命を絶った気の毒な事件だ。こういった改竄が絶対に起こらない体制を作る」と答えた[13]。
会見後、複数のメディアが横田に質問の真意を尋ねると、横田は「岸田前政調会長が森友問題について、それまでの態度を変えて『再調査は考えていない』と表明した。大手紙の報道では、岸田氏の説明が変わったのは、安倍前首相に忖度したのではないかとあったため、その安倍前首相が支援に回ったとされる高市さんはどう考えていますか、と問いたかった」「森友問題の再調査は、今も政治的に大きな争点になっている。しかし記者たちが誰も聞こうとしなかったため、私が声を出した」と説明した[14][15]。
批判
前述の通り、横田の遠慮しない取材の姿勢に対し批判されることもある。例として2024年に行われた第50回衆議院議員総選挙では躍進した国民民主党代表、玉木雄一郎に対する取材に対し批判されることがあった[16]。
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ただの感想ですので読み飛ばしていただいて結構ですが、玉木代表の仰る「自公過半数割れを目指す」というのは過半数割れさせることで自分たちの政策を受け入れさせやすくする狙いがあって仰ったものですし、我々有権者はそれを最初からわかって投票しています。もちろん政策が通って国が良くなるなら政権交代など望んでおりませんし、政権交代を希望するといった民意など国民民主党に投票した有権者にはまったくありません。民意に反するというのはそのジャーナリストの方の思い上がりです。 また、自民党だろうが立憲民主党だろうがどちらのほうが政策が通りやすいなど断言できませんし、自民党は積極的に政策を検討しようとしているのに対して立憲民主党からはそのような声がいまだないから党首会談の予定が組めないのではないでしょうか。立憲民主党が国民民主党の政策に耳を傾けず、無条件に政権に協力することだけ求めるのは図々しいと思います。それから、当該記事を書かれたジャーナリストの方は本日の会見で他の記者の方を「やらせ記者」と罵り、会見の最後にも暴言を吐かれておりました。その方には国民民主党の党員の方々への最低限の礼儀、マナーが感じられませんでした。そのような方の記事を採用されるのは不快です。 — 読者投稿、「『#国民民主党に騙されたな』民意裏切りの玉木代表」に関して、1日~5日に寄せられた読者意見
自分の思い通りの回答が得られないからといって自分の意見をさも事実のように書く記者はメディア自体の信頼も失うのではないでしょうか。国民民主党のやり方に不安があるのは良いと思いますがこれはデマの拡散の域に入っているかと思います — 読者投稿、「『#国民民主党に騙されたな』民意裏切りの玉木代表」に関して、1日~5日に寄せられた読者意見
また、前述の2021年の高市早苗の取材に対する同業他社からの批判も存在する。
衆議院第一議員会館で行われた高市氏の会見の終盤、横田氏は「森友再調査しないんですか」「森友再調査について一言」「…忖度しているせいですか」「聞こえてんでしょ」など、動画で確認できるだけで57秒間、叫び続けた。記者の間からも「ルールを守れ」という罵声が浴びせられたのも当然で、質問というよりも大声を上げて円滑な進行を妨害しているとしか思えない。
これに対して高市氏は、今後は文書の改竄が起こらない体制をつくる、今は民事訴訟が係属中なので回答は控えるという趣旨の答えをしたが、それに対して「再調査しないのは安倍さんへの忖度ではないか」「傀儡政権」などと、さらに罵声を浴びせた — 松田 隆(令和電子瓦版代表)、横田一氏「声かけ質問」という名の罵倒
このような批判の声に対して横田は「そういう考え方もあるとは思うけど、気にはしません。ルールやマナーを守っているばかりでは、聞くべきことが聞けなくなりますから。」としている[17]。
著書
単著
共著
出演
脚注
外部リンク