木村英紀

木村 英紀(きむら ひでのり、1941年(昭和16年)11月3日 - )は、日本の工学者工学博士東京大学・1970年)、東京大学名誉教授、大阪大学名誉教授。制御理論システム科学、生物制御を主な研究分野として数多の業績を上げた。2011年制御工学最高の賞であるIFAC(国際自動制御連合)Giorgio Quazza Medal の11番目の受賞者、アジア初[1]。2021年IEEE(アメリカ電気電子学会)の各分野の最高賞であるTechnical Field Awardsの制御部門賞IEEE Control Systems Awardをアジアで初めて受賞[2]

大阪大学基礎工学部助手、講師、助教授、大阪大学工学部教授、大阪大学基礎工学部教授、東京大学工学系大学院教授を歴任。退官後は、理化学研究所バイオメディカル制御センターチームリーダ、理研 BSI-Toyota 連携センターセンター長、科学技術振興機構研究開発戦略センター主席フェロー、早稲田大学招聘研究教授を歴任。現在、一般社団法人システムイノベーションセンター副センター長[3]。主な学会活動として、計測自動制御学会会長、日本学術会議会員、アジア制御協会初代会長、IEEE CSS理事、IFAC(国際自動制御連合) Councilメンバーを歴任。Automatica Paper Prize Awardを2回[4]、IEEE-CSS Outstanding Paper Award[5]など国内外において多数の受賞歴をもつ。

「制御工学の考え方」(講談社ブルーバックス)[6]「ものつくり敗戦」(日経出版)[7]など一般書も多く執筆。

著書

単著

  • 『動的システムの理論』産業図書 (1974) ISBN 978-4782852514
  • 『ディジタル信号処理と制御』昭晃堂 (1982) ISBN 978-4785611101
  • 『PC-9801制御系設計プログラミング』日刊工業新聞社 (1985) ISBN 978-4526018237
  • Chain-Scattering Approach to H∞-Control, Birkhaeuser (1996) ISBN 978-0817637873
  • 『H∞制御』コロナ社 (2000) ISBN 978-4339030983
  • 『制御工学の考え方―産業革命は「制御」からはじまった』 講談社 (2002) ISBN 978-4062573962
  • 『岩波講座 物理の世界 制御する〈1〉回路とシステム』 岩波書店 (2003) ISBN 978-4000111683
  • 『線形代数―数理科学の基礎』 東京大学出版会 (2003) ISBN 978-4130629126
  • 『「制御理論講義」体系的理解のために』 (臨時別冊・数理科学 SGCライブラリ40 2005年 06月号) サイエンス社 (2005) ASIN B00JJJM8HG
  • 『フーリエ‐ラプラス解析』 岩波書店 (2007) ISBN 978-4000059541
  • 『ものつくり敗戦―「匠の呪縛」が日本を衰退させる』 日本経済新聞出版社 (2009) ISBN 978-4532260361
  • 『世界を動かす技術思考 要素からシステムへ』 講談社 (2015) ISBN 978-4062579186
  • 『現代システム科学概論』東京大学出版会 (2021) ISBN 978-4130628440

共著

  • 伊藤正美,細江繁幸,木村英紀『線形制御系の設計理論』計測自動制御学会 (1983) ISBN 978-4339083316
  • 木村英紀,森武宏,藤井隆雄『ロバスト制御』(現代制御シリーズ) コロナ社 (1994) ISBN 978-4339030884
  • 木村英紀,新誠一,美多勉,葛谷 秀樹『制御系設計理論とCADツール』 (産業制御シリーズ) コロナ社 (1998) ISBN 978-4339044218
  • 木村英紀,江沢洋『岩波講座 応用数学〈14〉Fourier‐Laplace解析 漸近解析―方法(4・5) 』岩波書店 (1999) ISBN 978-4000108041

脚注

先代
小野敏郎
計測自動制御学会会長
2002年 - 2003年
次代
小野博信