朗読演奏実験空間 新言語秩序『朗読演奏実験空間 新言語秩序』(ろうどくえんそうじっけんくうかん しんげんごちつじょ 英語名:NEW LOGOS ORDER、The Dystopia Experience)は、2018年11月16日に日本武道館で行われたamazarashiのライブ公演、及び2019年3月27日にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズよりDVD・Blu-rayで発売されたライブビデオである。 通常のライブ公演とは異なり、CD・アプリ・ライブという複数のメディアで展開されるプロジェクトとなっている。その内容を評価され、ライブ公演に関わらず様々な賞を受賞した。 概要amazarashi自身初の日本武道館公演。 2018年5月26日に日本武道館公演を発表[1]、10月9日に公演タイトルが「朗読演奏実験空間 新言語秩序」であると発表した。メンバーの秋田ひろむは「僕らが今できる表現を全て注ぎ込んだ記念碑であり、これからのamazarashiを占う試金石です」「表現をする上での息苦しさから今回のプロジェクトを立ち上げました」とコメントしている[2]。 テーマは「言葉」[3]。企画するにあたり、ジョージ・オーウェルの小説「1984年」に影響を受けている[4]。 公演前の2018年11月7日にはシングル「リビングデッド」が発売。表題曲の「リビングデッド」はライブ公演のテーマ曲となっており[5]、収録曲の3曲とも公演と同じ「言葉」がテーマとなっている。 「リビングデッド」のミュージックビデオは後述のアプリ「新言語秩序」内で公開されていたが、公演後の11月19日にYouTubeにも公開された[6]。内容は映画『1984』(マイケル・ラドフォード監督)の「再教育」をイメージにしたもの[7]。 ライブ直前の11月10日には、東京都内で1日限定シークレットゲリラショップがオープンした。秋田ひろむがセレクトした101パターンの歌詞を背面にプリントした1点もののTシャツ「101 Wearable Lyrics」、キーメッセージ「言葉を取り戻せ」をデザインしたマスク「New Logos Order Mask」、YKBXが描き下ろしたイラストおよび「新言語秩序」のロゴをデザインしたパーカー「New Logos Order Hoodie」、歌詞をデザインしたステッカー「Lyric Sticker」、ポスター「New Logos Order Poster」、帽子ブランド・CA4LAとコラボレーションしたオリジナルハットなどの限定アイテムが販売[4]。「101 Wearable Lyrics」の「101」という数字は、小説「1984」に登場する洗脳部屋「101号室」にちなんでいる。 当日公演では巨大な4面LEDに囲まれたステージで、中央に設置されたステージと客席の間に半透化LEDスクリーンが紗幕として設置され、四方を囲まれた状態でライブを実施、全17曲を披露した[8]。複数の曲では客がアプリ「新言語秩序」を起動した状態でステージにスマートフォンを向けると、ステージと連動してバックライトが発せられる仕組みとなっている[9]。 シングル「リビングデッド」に収録されている「独白」は武道館公演で初めて検閲解除バージョンが披露された。最後の曲として披露され、主人公の「実多」が群集の前で自身の本当の気持ちを独白するシーンで用いられている[10]。 ライブ当日の11月16日はライブビューイングが、11月25日・26日はディレイビューイングが全国の映画館で行われた。ディレイビューイングでは特典として限定のチケットホルダーが付く[11]。 2020年6月9日、amazarashiメジャーデビュー10周年の日にライブの映像がYouTubeにて『朗読演奏実験空間“新言語秩序” Ver. 1.01』として期間限定で公開された。ライブ映像後には、書き下ろし楽曲「令和二年」を含む3曲を秋田ひろむが自宅で弾き語る映像が特別配信される[12]。 アプリ「新言語秩序」公演に先駆けて2018年10月23日に公開されたiOS/android向けアプリ[13]。 アプリ内では「新言語秩序」と題された秋田ひろむ書き下ろしの物語を読むことができる。「テンプレート言語」を逸脱したネガティブや過激な言葉が「検閲」される世界で言葉の価値を問うディストピア物語で、全4章構成。SNS上の言葉狩りや表現に対する狭量さがモチーフとなっている。 言語を検閲する組織「新言語秩序」側の人物・実多(みた)と、それに抵抗する「言葉ゾンビ」のリーダー・希明(きあ)の二人を主人公として描いた物語。 ダウンロードした段階では文字の大半が「■」で塗りつぶされており、ユーザーが検閲を解除することで物語の全貌が明らかになるという仕掛けが施されている。 公演では曲間に秋田ひろむによる章ごとの朗読が行われた。最終章である第四章のみは事前にアプリで公開された内容とは異なる[14]。 ライブ終了後には小説「第四章-真」のテキスト、撮り下ろしのライブ写真、「独白」の検閲解除音源・歌詞が公開された。放送禁止用語部分は無音・空白となっている。アルバム「ボイコット」では音源・歌詞共に無修正のまま収録された。 作中の用語
クレジット
映像作品
DVD/Blu-rayそれぞれに完全生産限定盤、通常盤が存在するため、計4種類で発売[16]。 完全生産限定盤にはライブ音源を収録した2枚組CD、「独白」の歌詞を用いた「“独白”リリックロングTシャツ」、小説「新言語秩序」入りのフルカラーブックレット、ライブ音源をフル収録した2枚組のCDがLPジャケットを模したパッケージで同梱される[17]。 予約購入者特典のステッカーは、カメラのフラッシュなどの光によって隠された絵柄が浮かび上がるリフレクト印刷仕様。全5種類。 チャート成績2019年4月8日付のオリコンDVD・Blu-rayチャートで、DVDは3583枚を売り上げ4位[18]、Blu-rayは4409枚を売り上げ12位[19]を記録した。 収録内容本編映像Disc 1
特典映像 ※完全限定生産盤のみ収録DISC 2(ライブCD)
DISC 3(ライブCD)
受賞
脚注
外部リンク |