新細明體 (PMingLiU)・細明體 (MingLiU)は、台湾 のダイナラブ(ダイナコムウェア )が開発した繁体中国語 フォント で、Microsoft Windows とMicrosoft Office for Mac に附属する。書体 としては日本語圏でいう明朝体 に属する。Windows 8 発売時点の最新版バージョン7.01は、記号・仮名 ・ギリシア文字 ・キリル文字 などを含め3万4051字を収録する。
来歴
もともとASCII英数字部分が等幅 (半角固定幅)になっている細明體のみだった。最初ビットマップフォントとしてWindows 3.0繁体字中国語版に附属し、Windows 3.1繁体字中国語版では “MingLi43” の名でTrueType 形式になった。バージョン2.00では、Big5 の文字セットを内部でUnicode 順に並べるようになり、“MingLiU” という英語名が付いた。バージョン2.10でフォントファイルに新細明體 (PMingLiU) が加えられた。新細明體は、ASCII英数字部分がプロポーショナル になっているが、中国語文字については細明體と同様全角固定幅になっている。新細明體・細明體はTTC 形式でmingliu.ttc
という一つのフォントファイルにまとめられている。
Windows 98までは繁体字中国語版のWindowsだけに附属し、Windows 2000以降他言語版にも附属するようになった。Windows 98までの繁体字中国語版以外のユーザに対してマイクロソフトは、Internet Explorer 3.0やMicrosoft Office XP Toolの言語パックやGlobal IMEなどを通じて細明體を配布した。
文字セット
細明體がサポートした文字セット はもともとMicrosoftコードページ 950[1] (Big5を基に、倚天中文系統 による拡張のうち漢字7字〈碁銹恒裏墻粧嫺〉と罫線素片を加えたもの)だけだった。Windows NT ・Windows 2000 以降、Unicodeをサポートするようになり、Unicode 1.1に含まれるCJK統合漢字 のうち台湾の規格(T-Source, T原規格=CNS 11643 )に由来する全ての文字をカバーした。Windows 2000 Service Pack 4とWindows XP では、全てのCJK統合漢字をサポートした。
字形
上はバージョン3.21までの字形、下はそれより後のバージョンの字形。
当初、細明體が採用していた字形は、例えば靑(青)・旣(既)・爲(為)・兪(俞 )などといったもので、中国漢字の伝統的なものに近かったため、一部から康熙字典 体と呼ばれた。Unicodeが靑 と青などを区別してコードポイント を与えたことを受けて、青・既・為といったものが取って代わった。しかしこれらの文字を部分字形とする「請」「倩」など一部の文字ではそのまま変わらなかった。
新細明體更新套件 (PMingLiU Update Pack)によって配布されたバージョン5.03では、字形が大幅に変更され、Unicode標準と中華民国(台湾)教育部 の定める国字標準字体 に準拠するようになり、以後のバージョンでも同じ字形を採用している。Microsoft Office for Mac に附属するバージョン4.55と7.00の字形も国字標準字体による。
新細明體バージョン5.03には、誤字が一つ存在することが知られている。「秣」は、本来「禾偏に末」と書くが、このバージョンでは「禾偏に未」になっている。台湾マイクロソフトは2008年10月までにこの問題を認め[ 2] 、バージョン6.02で修正している。
香港増補字符集
香港増補字符集 に対応するために、細明體_HKSCS (MingLiU_HKSCS) というフォントが用意されている。初期バージョンは、Windows NT 4.0・2000・XPの繁体字中国語版用、Windows 98・MEの繁体字中国語版用、Windows 2000・XP用にそれぞれ配布された「香港増補字符集-2001サポート」に含まれる[ 3] 。
Vistaからは香港増補字符集-2004に対応し、細明體_HKSCSのほか、細明體_HKSCS-ExtB(と細明體-ExtB、新細明體-ExtB)が追加され、これらが標準インストールされる。XPとServer 2003向けには、文書の互換性のため香港増補字符集-2004サポートが用意されている。
Windows 8に含まれるバージョン7.01では、細明體_HKSCSは3万4051字を、ExtBが付くものは4万9246字を収録する。
バージョン
脚注
関連項目
外部リンク