この一覧記事では、大使館や領事館といった在外公館を設置している国が、外国政府に政治的なメッセージを送ることを意図して、在外公館に繋がる通りの名称を意図的に変更した状況について列挙する。
こうした名称変更にまつわり、在外公館の公式住所にも新しい通りの名が含まれるように変更される例が多い。
アルバニア
ティラナの、ロシア大使館及びウクライナ大使館・セルビア大使館・コソボ大使館のある通りが、2022年ロシアのウクライナ侵攻を受けて「ウクライナ解放通り」へと改名された[1][2]。
チェコ共和国
2020年2月、駐プラハロシア大使館前の広場が、2015年に暗殺されたロシア政府批判者ボリス・ネムツォフにちなんで「ボリス・ネムツォフ広場」へと改名された。この改名後、大使は官邸の住所を別の入り口を指すものへと変更している。[3]
イラン
1981年、テヘランのイギリス大使館に隣接するチャーチル通りは、北アイルランドの政治家及びIRA暫定派のメンバーであり、1981年に獄中でハンガーストライキを行い死亡したボビー・サンズを追悼してボビー・サンズ通りに改名された[4][5]。
リトアニア
ヴィリニュスのロシア大使館がある、これまで名前が付けられていなかった行き止まりの通りは、2022年3月初めにロシアのウクライナ侵攻を受けて「ウクライナの英雄たち通り」と命名された[6]。
サウジアラビア
中東戦争においてアメリカがイスラエルを支持したことを受け、パレスチナ国を支持する意図でアメリカ大使館に隣接する通りはファラスティン通り(英語版)へと改名された[7]。
スコットランド
1986年、当時南アフリカ政府に投獄されていた反アパルトヘイト活動家ネルソン・マンデラにちなみ、グラスゴーの地方政府が南アフリカ領事館に通じる通りの名をネルソン・マンデラ・プレイスへと変更した[8]。
トルコ
アンカラ大都市自治体は、2018年に新アメリカ大使館に通じる通りを二度改名している。最初はオリーブの枝作戦(英語版)にちなんでオリーブの枝通り、二度目はマルコムX街であった。[9]
アメリカ
出典
- ^ Romina Kuko Deputy Minister of Interior - Government of Albania, Twitter, 2022-03-07
- ^ Reuters (2022年3月6日). “Albania renames street in capital Tirana as Free Ukraine” (英語). Reuters. https://www.reuters.com/world/europe/albania-renames-street-capital-tirana-free-ukraine-2022-03-06/ 2022年3月8日閲覧。
- ^ “Ruské velvyslanectví tvrdí, že adresu nezměnilo, ale zrušil mu ji pražský magistrát” [Russian embassy claims it did not change its address, Prague City Council revoked it] (チェコ語). Czech Television (2020年4月19日). 2021年5月27日閲覧。
- ^ E. O'Ballance (4 November 1996). Islamic Fundamentalist Terrorism, 1979-95: The Iranian Connection. Palgrave Macmillan UK. pp. 162–. ISBN 978-0-230-37606-9. https://books.google.com/books?id=JVeHDAAAQBAJ&pg=PA162
- ^ “Britain to reopen embassy in Iran on Bobby Sands Street” (英語). belfasttelegraph. ISSN 0307-1235. https://www.belfasttelegraph.co.uk/news/uk/britain-to-reopen-embassy-in-iran-on-bobby-sands-street-31466117.html 2022年3月8日閲覧。
- ^ Lithuanian capital to change Russian embassy address to Heroes of Ukraine street, Reuters, 2022-03-03
- ^ “سبب تسمية شارع فلسطين في جدة” (アラビア語). الموسوعة السعودية. 2021年12月17日閲覧。
- ^ Norman Ferguson (1 January 2013). Glasgow Book of Days. History Press. pp. 293–. ISBN 978-0-7524-8910-0. https://books.google.com/books?id=EO4SDQAAQBAJ&pg=PT293
- ^ “Street name of new US embassy building in Ankara changed to ‘Malcolm X’ - Turkey News”. Hürriyet Daily News. 2022年4月9日閲覧。
- ^ Washington's Sakharov Plaza: A Message to Russia, Toledo Blade, 27 August 1984. Retrieved May 2013
- ^ “Is Washington trolling Russia by honoring a murdered Putin critic?” (7 February 2018). 2022年4月9日閲覧。
- ^ Franklin, Jonathan (2021年12月8日). “D.C. council renames the street in front of the Saudi embassy after Jamal Khashoggi” (英語). NPR. https://www.npr.org/2021/12/08/1062469781/dc-council-renames-street-saudi-embassy-jamal-khashoggi 2022年3月8日閲覧。