『攻撃天使』(こうげきてんし)は、高瀬ユウヤによる日本のライトノベル。イラストは森田柚花が担当している。富士見ファンタジア文庫(富士見書房)にて2003年1月から2005年6月まで刊行された。第14回ファンタジア長編小説大賞準入選作[1]。
あらすじ
そこは、翼を持たない天使と人間とが対立する世界。そんな世界に住む天使の少年、百川はいつものように破壊の限りを尽くしていた。ふとしたきっかけで百川は天使の少女、彩に出会う。彼女の背中にはないはずの翼があった。そんな二人を中心に世界は回り始める。
登場人物
- 百川 康貴(ももかわ やすたか)
- 主人公。「捨て去りし者」の名を持つ天使の少年、15歳。(一巻時)荒々しい性格で、人間を憎んでいる。いつものように人間を襲っていた時に偶然、彩と出会う。初めは粗暴で喧嘩っ早く、後先を考えずに突っ走っていたが、徐々に冷静さも育ってくる。凶暴で剃刀のような危うさと猪突猛進な性格の為、友人の芹也に助けられる事が多々ある。彩に対しては少し鬱陶しいと感じつつも、優しく接するようになる。実はクリームパンが大好き(家では毎日クリームパンを食べていたほど)。武功術士である百川の攻撃手段である「タリスマン」は攻撃面にのみ特化している。
- 三輪 芹也(みわ せりや)
- 百川の友人、天使。百川とは対照的に冷静沈着で的確な判断をする。主に一人で突っ走っていく百川のブレーキ、およびサポート役。皆のリーダー的存在でもある。百川の突発的で後先を考えない行動にいつも呆れている。しかし仲間思いで責任感が強く、自分の失敗を深く反省したりする場面が見られる。芹也が扱うタリスマンは攻撃のみではなく、防御などもできる。
- 有本 奈生(ありもと なお)
- 百川の友人、天使。正真正銘の男だが、細身で女顔のため、一見すると少女のようである。ひょうひょうとしており、軽いと見られがちだが、そういうわけではない。観察力、洞察力に優れており、芹也や百川が感じ取れない何かを感じ取る事も多い。タリスマンを使う事を嫌っており、主に爆弾や飛び道具、本人の斬新な発想で戦っている。人間の事を「皆」と呼ぶ事から、百川よりは人間に対する感情が好意的だと思われる。
- 綾原 彩(おばら さい)
- 天使たちの中で唯一、翼を持っている天使の少女、15歳。(一巻時)人間に育てられたという天使としては珍しい過去を持つ。百川のことを「運命の人」だと思っており、百川達に付いていく事になる。かなり大事に育てられたためか、わがままで浮世離れしている。しかし、百川達との出会いにより、徐々に成長していく。
既刊一覧
- 高瀬ユウヤ(著)・森田柚花(イラスト)、富士見書房〈富士見ファンタジア文庫〉、全7巻
脚注