慙紅葉汗顔見勢

慙紅葉汗顔見勢(はじもみじ あせの かおみせ)」は歌舞伎の演目名。

題名は「恥も外聞もなく、真っ赤になって汗をかいた顔を見せる」という意味。通称「伊達の十役」三代目市川猿之助が復活狂言として演じた際に、伊達の十役と題して演じたため、現代では通称の方が広く知られる。

概要・あらすじ

伽羅先代萩』と同じく、伊達騒動を題材にしている。室町時代に時代設定を変え、一人で十役を演じる、早替わりの趣向を最大限に生かした作品。演じた三代目市川猿之助により「猿之助十八番ノ内」、のちに「猿之助四十八撰」に選定されている。

主演が演じる十役

(悪役側)
赤松満祐
足利家に滅ぼされた大名。仁木弾正の実父。
仁木弾正
赤松の息子。父から鼠の忍術を授かる。
土手の道哲
弾正一味に加わる悪徳坊主。
足利頼兼
足利家の当主。高尾太夫を身請けしようとするが…
高尾太夫
頼兼と恋仲になるが、身請け話には仁木弾正が絡んでいた。
(善人側)
累(かさね)
高尾太夫の妹。
絹川与右衛門
累の夫。
乳人政岡
頼兼の子供・鶴千代の乳人。実の子供に千松がいる。
荒獅子男之助
鶴千代を密かに護衛している剛の者。
細川勝元
管領。弾正らの陰謀を暴く。