愛の三角理論
愛の三角理論(あいのさんかくりろん)は心理学者のロバート・スタンバーグが1986年に提唱した、対人関係に関する理論である。 スタンバーグは、愛を単独の概念ではなく、次の三つの要素の強弱から説明できると主張した。[1] 要素この理論では、愛は以下の3つの要素の強弱から分類する。 親密さ親密さとは、互いに親しみあうこと、愛着を感じることに関する要素である。 親密さを感じることで、2人の間に固い絆が生まれ、お互いの気持ちが通じ合うことから安心感も生み出されるとされる。 情熱情熱は、感情的な刺激や、肉体的魅力を求める要素である。以下の3つの仕方で定義される。 コミットメント他の2つとは異なり、コミットメントには相手と関係を持とうとする意識的な決断が含まれる。コミットメントを維持しようとするかは、相手との関係についての満足度が決定的な役割を果たす。 コミットメントは、次の3つの仕方で定義される。
コミットメントは短期と長期で異なる意味を持つと説明される。 短期的には「ある他人を愛するという決断」を指し、長期的には「その愛を維持するための決断」を指す。
愛のスタイル三角形の頂点に描かれた3つの要素は、互いに影響しあい、また各々がとる行動によって、非愛を除いて7種類の愛のスタイルを形成する。三角形の大きさは愛の「量」を表し、大きければ大きいほど愛が深い。各コーナーにはそれぞれ愛の種類があり、様々な組み合わせで愛の種類がラベルづけされる。三角形の形は、愛の "スタイル "を表すもので、恋愛の経過とともに変化する。
スタンバーグの愛の三角理論は、その後に彼が築いた『物語としての恋愛』(Sternberg 1995)という恋愛論の強固な基礎となっている。その恋愛論の中で彼は、ユニークで異なる多数の恋愛物語が、どのように恋愛を理解するかにも複数の視座を与えると説明する。人々はこのような体験を通じて、愛とは何か、あるいは愛が自分にとってどうあるべきかを会得するようになると提唱した。これら2つの理論がスタンバーグの「愛の二重理論」を作り上げている。 「最も長く続き、最も満足できる関係とは、パートナーが常に親密さを持続させ、互いのコミットメントを強化することに腐心するものである」[2] 参考文献
外部リンク
脚注
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