恋はドラッグ
「恋はドラッグ」(Love Is the Drug)は、ロキシー・ミュージックが1975年に発表した楽曲。全英シングルチャートで2位を記録するなど、世界各国でヒットした。 概要メンバーのアンディ・マッケイは1975年の初めに本作品の基本的なメロディを書いた。マッケイは言う。「ウーリッツァーのエレクトリックピアノを弾いているとき、普通じゃない曲のコードを思い付いた。それはレイフ・ヴォーン・ウィリアムズだとかの20世紀のクラシックの作曲家から影響を受けた、極めてイギリスっぽいサウンドだった。初期の教会音楽に影響を受けて生まれたフォークのハーモニーの感じもあった」[2] マッケイが書いたコード進行を聴いたあとで、ブライアン・フェリーはケンジントンのホランド・パークの自宅で詞を書いた。「俺の心に浮かんだのは、車に乗り込むとすぐ町に繰り出し、クラブで刺激を求める若い男のイメージだった」とフェリーは言う。冒頭の歌詞はクリスチャンという名のトリニダード・トバゴ系の友人の口癖から生まれた。「クリスチャンはロキシーの衣装係の仕事をしていた。とても愉快で、こだわらない男だった。どんな問題が起こっても奴は決まって言った。『T'ain't no big t'ing』。俺はそのフレーズが好きだったから曲の頭のところで使ったんだ」[3] グループはロンドンのAIRスタジオに入り、曲に肉付けをした。元々の曲調はスローでゆったりとしたものであったが、フェリーとポール・トンプソンはそれをダンス・ミュージックに近いものに変えた。プロデューサーのクリス・トーマスは完璧なテイクが録れるまで執拗に演奏を繰り返させた。マッケイは同じサックスのリフを何時間も吹き続けた。マックスはのちのインタビューで、トーマスのおかげで十分に満足のいく演奏ができたと感謝の言葉を述べている[3]。 1975年10月3日、シングルA面として発売[1]。B面はオリジナル・アルバム未収録の「サルタネェスク」(Sultanesque)[注 1]。 全英シングルチャートで2位を記録。また、Billboard Hot 100で30位を記録し、米国で初めてのヒット・シングルとなった。マッケイは「ロキシー・ミュージックは北米では売れなかった。何しろ俺たちはあそこじゃアートロックのバンドだと思われていたからな」と述べている。カナダで3位、オーストラリアで18位、ニュージーランドで24位、ベルギーで15位、西ドイツで39位を記録した。 同年10月24日発売のアルバム『サイレン』に収録された。 ミュージック・ビデオは作られなかったが、グループはシングルが出た年、テレビ番組に口パク演奏で出演した。フェリーは、右目にアイパッチをつけていることについてこう説明している。「あれは多くの人が思っているような海賊風のファッションでもなんでもないんだ。収録の前日、俺は目の診察のため病院にいた。ドアを開けるとき『なんてこった。俺たちはこれからテレビショーにでなくちゃならない』と思ったことを覚えている。ビデオを注意深く見れば、俺が目のところに包帯を当てているのがわかるよ。あの黒いアイパッチはなかなかさまになっていると思う」[2] ナイル・ロジャースは、シックのヒット曲「Good Times」(1979年)のベースラインは主に「恋はドラッグ」のベースから影響を受けていると証言している[2]。 チャート
1リミックス 脚注注釈出典
|