往馬坐伊古麻都比古神社
往馬坐伊古麻都比古神社(いこまにいますいこまつひこじんじゃ)は、奈良県生駒市にある神社。式内社で、旧社格は県社。往馬大社(いこまたいしゃ)と通称される。 祭神
伊古麻都比古神、伊古麻都比賣神は古代より火を司る神として信仰されている。大嘗祭で用いられる浄火を起こす道具である火燧木は代々当社が献上することとなっており、明仁天皇の大嘗祭においても当社の火燧木が使用された。『北山抄』『元要記』『亀相記』などには当社の神が「火燧木神(ひきりきのかみ)」と書かれている。大嘗祭(天皇即位礼の際に初めて新穀を神々に献じる儀式)のために悠紀・主基二国を決める時に亀の甲羅を焼いて占うが、その時の火燧木は生駒社から献上されたものが使われる習わしがあった。この火燧木は波波迦(ははか)といい、今日の上溝桜(うわみぞざくら)にあたる。10月第2日曜日(元は10月10日)の例祭は「火神祭」と呼ばれ、龍田大社の風神祭、廣瀬大社の大忌祭とともに古来より朝廷の崇敬を受けてきた。火神祭は松明(たいまつ)を担いだ若者が石段を駆け降りる速さを競う伝統行事であり、奈良県教育委員会によって無形民俗文化財に指定されている。 歴史創建の年代は不詳であるが、生駒谷十七郷の氏神としてこの地に鎮座し、奈良県内では大神神社や石上神宮と同様に神奈備(生駒山)を御神体として祀られた日本有数の古社である。また、神社の境内を覆う鎮守の杜は奈良県の天然記念物に指定されている。 文献での最も古い記述は、『総国風土記』の雄略天皇3年(458年)条に「伊古麻都比古神社」とあるものである。延喜式神名帳では大和国平群郡「往馬坐伊古麻都比古神社二座」と記載され、大社に列し、月次・新嘗の奉幣に預ると記されている。往馬坐伊古麻都比古神社二座の内、一座は祈雨(あまごい)の幣も賜っていた。 本殿は産土神の二座であったが、鎌倉時代に武家の守護神である八幡神への信仰が興隆し、五座の八幡神を合せ祀り現在の七座となった。 明治時代になると神仏分離によって神宮寺は廃され、県社に列せられた。 境内
摂末社
境外文化財重要文化財奈良県指定有形文化財奈良県指定無形民俗文化財
奈良県指定天然記念物
現地情報
脚注
外部リンク
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