帳票(ちょうひょう、帳表、英: business forms)は、帳簿や伝票などの総称であり、記入するための空欄を設けた事務用紙をいう[1]。金銭や物品、役務(サービス)の取引や出入りを記録した、帳簿や伝票などの定型的な書類の総称と定義される[2]。
情報技術の進展により、今日では紙以外の媒体も使用されるが、罫線といった見かけやページに基づく操作性など、紙に準じるものが想定されている。近年はユニバーサルコミュニケーションデザイン[注釈 1]として、ユーザビリティ視点が提起されている。
概要
語源について、「帳簿」と「伝票」に由来する説明もある[3][注釈 2]。しかし実務においては、帳表とも表記される集計・管理レポート、顧客向けに送付される通知や連絡(コミュニケーション)、記入フォームなど、これ以外を指す意図でも使用されている。また一式の文書全体ではなく、これを構成する各々の書式(フォーム)を指すこともある[注釈 3]ため、注意が必要である。
今日では電子的な代替手段も存在するが、紙媒体が強く意識されている点が特徴である。また主として製作側で使用され、受取側では書類や資料として認識されていることが一般的である。
分類
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用途による分類
一式としての書類を構成する意味での帳票については、さらに用途によって次のように分類することができる。
- 管理/記録帳表[注釈 4]
- 記入帳票
- 通知/連絡帳票
- 資料/説明帳票
また想定するターゲットによって、次のように分類することができる
- 社内(組織内)、あるいはこれに準じる代理店等の社外関係組織
- 社外(組織外) - 多くは顧客向け
それぞれの概要や例を次に示す。
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管理/記録帳票(帳表)
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記入帳票
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通知/連絡帳票
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資料/説明帳票
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概要
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データ、情報の可視化と確認のために使用される、古典的な帳票(帳表)
規制に準拠する記録として出力を保存
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指示や説明が記載された書式上の記入欄に各種情報を記入
署名捺印による契約の発効、各種プロセスの開始
システムへのデータソースともなる
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告知や連絡、情報提供により、理解やアクションを促す
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理解を得るための商品特徴や制限の説明を行う
規制等に基づく注意事項等の提示やサービス内容の明示
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例
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各種一覧表
取引明細、入出庫明細
財務諸表、仕訳記録
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申込書
契約書
同意書
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利用明細、運用報告
保険証券、総合通知
納税通知、課税証明書
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商品説明、チラシ
重要事項説明書
約款
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ターゲット
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社内(組織内)
準じる関係組織(代理店等)
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顧客/見込み客や市民等の社外(組織外)
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表示内容(例)
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データと見出し
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記入を助けるガイド、データ
説明または契約内容を示す文書
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説明文書、図
データ、データを可視化するグラフ
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説明文書、図
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使用方法
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単体、あるいは複数の出力を目視
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しばしば資料/説明帳票、時には通知/連絡帳票と組み合わせた一式の書類として使用される
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しばしば複数の通知連絡帳票を資料/説明帳票と組み合わせた一式の書類として使用される
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しばしば記入帳票や通知/連絡帳票を補完するために使用される
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作成/生成
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フォームベースの帳票ツールやレポートライターア、あるいはパッケージソフトウェアが備えるフォーム/レポート機能が使用される
過去のプログラム資産とオーバーレイツールの併用も行われている
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Illustratorなどのグラフィックソフトウェアの他、ExcelやWordなどのオフィスソフトウェアが使用されることもあるが、多くの項目をページ上に詰め込むレイアウトでは、専用に近いツールが適している場合もある
またOCRを前提として、OCRソフトウェアに付属するソフトウェアが使用される場合もある
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フォームベースの帳票ツールが使用されることが多いが、CCMが対象とする領域でもある
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ExcelやWordなどのオフィスソフトウェアが、原案を示すために使用され、Adobe Illustratorなどのグラフィックソフトウェア、Adobe InDesignなどの組版ソフトウェアが使用されることが多い
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展開
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PDF、TIFF等の形式で保存/保管する場合もある
電子帳票ツールを使用して、印刷を廃する方向も見られる
Excel形式など、データとして提供することで代替することも可能
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タブレットアプリケーションなどで補完、代替する方向に向かっている
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Web、モバイル、Eメール、SNS等のクロスチャネルで提供する方向に向かっている
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ダウンロードや参照が可能な資料としてインターネットからのアクセスを提供し、印刷を削減する方向が見られる
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タイミング/サイクルによる分類
帳票を発行するタイミングやサイクルによって、大きく次のように分類される。
- 定期(バッチ)
- オンデマンド(都度、アドホック)
- インタラクティブ
- 一括、不定期
定期
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オンデマンド(都度必要時、アドホック)
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インタラクティブ
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一括、不定期
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日/週/月/年など一定のサイクルで定期的に自動発行
バッチ帳表とも称される
出力量(ページ数)はさまざまだが、大量であることも一般的
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必要なタイミングに、手動または自動で所定の内容を発行
オンライン帳票と称される場合もある
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必要なタイミングでデータ等を組み込んだ初期状態を生成し、手動で編集・調整し、最終的な内容を発行
CCMの対象領域であるが、Word等を使った手作業に頼り、システム化の対象とされていないことが少なくない
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最初に一定部数を印刷、発行し、在庫として保管
在庫が少なくなった際に、追加発行
使用する事業所等に配布、補充する場合もある
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生成結果を待つ同期処理は、これを次のアクションで使用する場合に選択される
比較的少ない出力量(ページ数)を前提とすることが一般的
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生成結果を待たない非同期処理は、しばしば比較的出力量が多い場合に選択される
デマンドバッチとも称される
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ツール、ソフトウェア
非常に多くのツールが存在しているため、一部のみを例示する。
関連項目
外部リンク
注釈
- ^ UCDAが提唱している概念
- ^ 出典や根拠は示されていない。また帳票という語自身は会計用語ではないため[要出典]、筆者による想像とも推定される。
- ^ 過去アナログ印刷では、個々のレイアウト/ページデザイン毎に「版」を製作していたことに由来したと推定される。今日のデジタル印刷では無版が特徴であり、印刷での制約はないが、文書全体ではなくページレベルのフォームデザインしかできない帳票ツールが少なくないことが、こうした意識が残る背景となっている
- ^ 帳表と表記される対象は、このケースを指すことがほとんどである
脚注