島村孝三郎

島村 孝三郎（しまむら こうさぶろう、1874年[1] - 1966年10月24日[2][3]）は日本の考古学者。東亜考古学会の幹事として活動したことで知られるが[4]、ほかに南満州鉄道大連図書館の初代館長などを務めた[5]。

概要

1900年（明治33年）、東京帝国大学法科を卒業[2]。

大学卒業後は台湾統治に関わる植民地官僚など[注釈 1]を務めたのち[6]、1907年（明治40年）に大連に移住し[7]南満州鉄道に入社する[2]。入社2年目のころ、満鉄調査課の次席となった時期に岡松参太郎から図書事務の監督を命令される[8]。その後、1919年（大正8年）に満鉄大連図書館の初代館長に就任する[4][5]。当時、図書館長だけでなく参考品陳列所長を兼務しており、むしろ後者のほうに熱心な様子であった[5]。

満鉄を退職後は一時政治に志したが[2]、1926年に濱田耕作・原田淑人とともに東亜考古学会を設立する[9][10]。東亜考古学会では幹事として活動し、1944年には島村が代表として朝日賞を受賞する[11][注釈 2]。

戦後はモヨロ貝塚・登呂遺跡の発掘に関与し[12][4]、またアイヌ研究にも関心を持ち金田一京助・服部四郎に働きかけていた[13][14][15]。

古稀を過ぎて引退していたが、1966年（昭和41年）10月24日死去[2]。享年92[2]。

脚注

注釈

  1. ^ 駒井和愛によると、「卒業後、中国武昌で育英に従事」[2]。
  2. ^ 「蒙古の考古学的研究」として[11]。

出典

  1. ^ 相原 2023, p. 7.
  2. ^ a b c d e f g 駒井 1966, p. 68.
  3. ^ 日外アソシエーツ編 2006, p. 1966.
  4. ^ a b c 黒沢 2004, p. 25.
  5. ^ a b c 橋本 1937, p. 389.
  6. ^ 若林 2017, p. 66.
  7. ^ 島村 1933, p. 18.
  8. ^ 島村 1937, p. 364.
  9. ^ 坂詰 1994, p. 2.
  10. ^ 原田 1970, p. 38.
  11. ^ a b “朝日賞　1929-1970年度｜朝日新聞社の会社案内”. 2024年12月31日閲覧。
  12. ^ 斎藤 1963, p. 5.
  13. ^ 金田一 1948, p. 1.
  14. ^ 服部 1964, p. 5.
  15. ^ 若林 2017, pp. 66–67.

参考文献

関連項目