宗谷丘陵

宗谷丘陵、1977年撮影。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
宗谷丘陵と宗谷岬
宗谷丘陵の周氷河地形

宗谷丘陵(そうやきゅうりょう)は、北海道稚内市にある日本最北の丘陵

概要

宗谷岬南部に広がる標高20メートルから400メートルまでのなだらかな丘陵地帯。地理学者で東京大学名誉教授の鈴木秀夫により、2万年前の氷河期に形成されたものと確認された。北から南に向かい標高が高くなり、緩やかに起伏しているが、深い谷はほとんど存在しない。明治期の山火事によって樹木が消失した。気温が上がらず強風が吹くため、現在も樹木が回復していない。そのため、樹木にさえぎられることなく、周氷河地形を目視できる数少ない場所となっている。

宗谷岬のアメダス(1981年 - 2010年)の気候資料
[1] 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均風速 8.5 7.7 7.9 7.5 7.3 6.5 6.0 6.0 6.6 7.8 9.0 9.1
最多風向 西北西 西北西 南西 南西 南西 東南東 東南東 東南東 南西 西北西 西北西 西北西

観光

白い道

「宗谷丘陵の周氷河地形」として北海道遺産に選定されている[2]。宗谷丘陵フットパスコースは、日本最北のフットパスコースである。

  • 宗谷丘陵展望休憩施設(ゲストハウスアルメリア)
無料の展望施設。オランダ風の風車が目印。施設内のレストランでは宗谷黒牛のステーキなどを食べることができる。稚内特産品の売店もある。営業時間は9:00 - 17:00(ただし6月末 - 8月は18:00まで、9月 - 10月は16:00まで)。11月4日から4月30日までは冬季休業。
  • 白い道
宗谷丘陵を分け入った場所にある未舗装の脇道で、稚内の名産品であるホタテの貝殻を砕いたものを3キロメートルにわたって敷きつめている[3]。このため、路面は真っ白く見え、丘陵の緑の草原と相まって他では見られない風景となっている[4]

産業

宗谷黒牛
風力発電機57基、総出力5万7000キロワットの国内最大級ウィンドファーム。
  • 宗谷岬牧場
宗谷丘陵内の1,500ヘクタールを越える牧草地で、宗谷黒牛などの肉牛や牛乳を生産している。

道路

脚注

  1. ^ 宗谷岬 平年値(年・月ごとの値) 詳細(風・日照)”. 気象庁. 2016年4月13日閲覧。
  2. ^ 「宗谷丘陵の周氷河地形」(稚内市) 北海道遺産 2016年7月3日閲覧
  3. ^ 白い道”. 稚内観光情報. 稚内市建設産業部観光交流課. 2021年10月3日閲覧。
  4. ^ 小川秀夫、栗栖国安、田宮徹 著、中村純一編 編『ニッポン絶景ロード100』枻出版社〈エイムック〉、2016年4月10日、24頁。ISBN 978-4-7779-3980-0 

関連項目