子音弱化子音弱化(しいんじゃっか、英語: lenition)は、言語で子音が「強い」ものから「弱い」ものへ変化することをいう。通常の言語使用で起きる共時的変化を含める場合もあるが、普通は歴史的変化を指す。 日本語では、唇音退化(ハ行転呼など、唇音の変化)やイ音便などの例がある。 具体例摩擦音化による子音弱化多くの例が見られるのが破裂音から破擦音・摩擦音への変化(摩擦音化)であり、日本語のハ行における [p] → [ɸ] の変化がこれにあたる。そのほか調音位置が声門に移動する非口腔音化(日本語の [ɸ] → [h]、近畿方言〈例:「せぬ」→「へん」〉や他の言語にも多い [s] → [h] など)、長子音の短子音化(英: degemination)、有気音の無気音化(英: deglottalization)などがある。
聞こえ度による子音弱化また子音の聞こえ度が高くなることによる子音弱化が存在し、子音の有声化(日本語の[ɸ]→[w]など)、接近音化、母音化などの音変化が生じる。
摩擦音化は言語の歴史で何度も起きたと考えられており、インド・ヨーロッパ語族では次のような例がある:
「強い」というのは発音にエネルギーを要する、発音しにくいと感じられることであり、特に早口で話す必要があれば、「弱く」なるのは同化などとともに自然な変化(言語の“経済性”に従う)と考えられる。 子音強化子音弱化とは逆に、子音が「弱い」ものから「強い」ものへ変化する現象を子音強化(英: fortition)という。言語の歴史的変化においては、子音強化は子音弱化と比べるとあまり一般的ではないが、アクセントのある音節や語頭などでしばしば起こることがある。 日本語における子音強化の例としては、「もはら」「やはり」からの「もっぱら」「やっぱり」の派生が挙げられる。 関連項目 |