奇偶転置ソート(きぐうてんちソート、英: odd-even sort)は、ソートのアルゴリズムの一つで、バブルソートを改良したもの。バブルソートではスキャンを一方向に順次行うのに対し、奇偶転置ソートでは組ごとに行う。
バブルソートと同じく安定な内部ソートで、最悪の場合で時間計算量はO(n2)である。
組の比較は互いに独立であるため、バブルソートとは異なり、並列動作が可能である。
そのため、ハードウェアで隣り合う組の比較を同時に処理すれば、常に (n-1) ステップで処理が完了する。
ただし、ソートの対象が多いと必要とするリソースが大きくなり、実用的ではない。
アルゴリズム
奇偶置換ソートは、奇数番目とその次の偶数番目を組 (組1) にして比較/交換した後、偶数番目とその次の奇数番目を組 (組2) にして比較/交換することを繰り返すアルゴリズムである。
- 組1
- (1番目と2番目を比較、3番目と4番目を比較、5番目と6番目を比較、…)の後に
- 組2
- (2番目と3番目を比較、4番目と5番目を比較、6番目と7番目を比較、…)を行う。
これを繰り返す。
実装例
1番目の位置を表す添字が 0 になっているのはC言語の仕様である。
double data[N] = {値1, 値2, 値3, ..., 値N} ;
bool changed ;
do
{
changed = false ;
for (int i=0 ; i<N-1 ; i+=2) /* 組1 */
if (data[i] > data[i+1])
{
swap (&data[i], &data[i+1]) ;
changed = true ;
}
for (int i=1 ; i<N-1 ; i+=2) /* 組2 */
if (data[i] > data[i+1])
{
swap (&data[i], &data[i+1]) ;
changed = true ;
}
}
while (changed) ;
動作例
のような表記は比較されるデータの組を示す。
初期データ:
時間 |
置換前の状態 |
組 |
置換個数 |
置換後の状態
|
1
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組1
|
3
|
|
2
|
|
組2
|
3
|
|
3
|
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組1
|
4
|
|
4
|
|
組2
|
2
|
|
5
|
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組1
|
3
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6
|
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組2
|
3
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7
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組1
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3
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8
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組2
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1
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交換回数:(バブルソートと同じ)
外部リンク
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理論 | |
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交換ソート | |
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選択ソート | |
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挿入ソート | |
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マージソート | |
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非比較ソート | |
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並行ソート | |
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混成ソート | |
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その他 | |
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非効率的/ ユーモラスソート | |
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カテゴリ |
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