大仏廻国
『大仏廻国・中京編』(だいぶつかいこくちゅうきょうへん)は、1934年(昭和9年)製作・公開、枝正義郎監督による日本映画である。2018年にリメイク版が公開された。 概要監督である枝正義郎が東亜キネマから独立し、昭和9年(1934年)に制作された作品である[1]。「大仏が動き出し、名古屋を巡り歩く」という題材を大規模なトリック撮影で描いた映画作品で、日本映画では初めて「着ぐるみとミニチュアで巨大なキャラクターを表現した作品」とされる[2]。 内容については「幼稚」「日本映画の異色篇」など評価が低いが、映像技術については一定の評価がされている[3]。また、映画の舞台となった名古屋市では映画館が満席になるなど好評だった[4]。フィルムは戦災で焼失したため、現存していない[5]。ただし、戦後間もないころには断片的ながらフィルムが現存していたとされる[4]。 あらすじ愛知県上野村(現在の東海市)の聚楽園大仏が開眼し、名古屋市内(真宗大谷派名古屋別院、本願寺名古屋別院、大須観音、名古屋城)を巡り歩く。犬山城の側で一睡した大仏は真清田神社を参詣した後、再び名古屋市内に戻り名古屋公会堂、名古屋市議会、松坂屋、覚王山、鶴舞公園、名古屋市公会堂などを巡り、三河の知立八橋や常福寺の大仏と対面する。大仏は地獄を巡った後、雲に乗り東京に向かう[4]。 作品データ
資料によっては枝正義郎を指揮として、監督を勝見庸太郎としたものや、勝見と村越章二郎の共同監督とするものもある。 大仏廻国 The Great Buddha Arrival
『大仏廻国 The Great Buddha Arrival』(だいぶつかいこく ザ・グレート・ブッダ・アライバル)は、横川寛人監督による2018年に公開された特撮映画である。枝正義郎の1934年に発表された映画『大仏廻国・中京編』を原作としている[7]。枝正の孫である佛原和義の承認のもと、企画が立ち上がった。作中の大仏は、ラヴクラフト系モンスターの造形で知られる米山啓介が新たにデザインしている[5]。製作費300万円(2018年9月9日時点)のうち、148万1,000円はクラウドファンディングで調達している[7]。 キャスト
【海外上映版以降の出演】 【2020年版以降の出演】 スタッフ
製作横川寛人が『ゴジラ』好きな友人から『大仏廻国・中京編』の存在を聞かされたことが製作のきっかけだったという(友人は美術担当として本作に参加している)[7]。2016年に枝正義郎の孫である佛原和義と連絡を取り、企画が始動した[7]。キャストには宝田明や螢雪次朗など、横川が影響を受けた特撮映画(『ゴジラ』、『ガメラ』)に出演している俳優を起用している。オファーのうち8割は断られたが、「宝田さんが出演されるなら」という理由で出演を決めたキャストもいたという[7]。 製作費の一部はクラウドファンディングで調達しており、Yahoo!ニュースで記事が掲載された際にアメリカ合衆国のプロデューサーのエイブリー・ゲーラが記事を英訳して紹介したため海外でも本作の存在が知られるようになり、それがきっかけで出演が決まった海外俳優(フィリップ・グレンジャーなど)もいるという[7]。 映像ソフト2023年11月3日にアルバトロスよりBlu-rayが一般販売された[21]。 出典
参考文献
外部リンク
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