大一統

大一統(だいいっとう)とは、中国紀元前に成立した儒教の経典『春秋公羊伝』の言葉[1]であり、「一統をたっとぶ」という意味である[2]。もともとは、中国の社会安定、幸福追求、政治聡明などを意味したものであった。その後の施政者により、中華の文化を有するところは中華民族とされ、中華の歴史を有する土地を中華の土地とする思想に切り替わった[3]

概要

中国は始皇帝以来、中央集権の専制支配が出現した。この政治安定下で中国文明は栄え、天下の中心となり、人々の憧憬の的となった。その中で、宗法一体化という大一統保全機構を内蔵し、民族統一、文化統一、領土統一が大一統であると指摘する[4]

ノーベル平和賞受賞者の劉暁波は自著『統一就是奴役...劉曉波論臺灣、香港及西藏 』において、大一統中国民主化は両立できず、台湾、香港、チベットは独立させるべきだと主張した[5]

関連項目

脚注

  1. ^ 『春秋公羊伝』隠公元年「何言乎王正月。大一統也」
  2. ^ 中国が領土に固執するのはなぜか? 中華思想「大一統」の強い呪縛
  3. ^ “大一統”的思想 - 東方印象
  4. ^ 『 中国社会の超安定システム── 「 大一統 」 のメカニズム── 』 ( 研文出版、1987.5.25/1992.9.15 )
  5. ^ “如果統一就是奴役...劉曉波論臺灣、香港及西藏”. 商業周刊中国語版. (2017年7月14日). オリジナルの2017年7月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170716120725/http://www.businessweekly.com.tw/article.aspx?id=20256&type=Blog